【中国経済分析(2)】中国のリスクと権力闘争

こんにちは。

いも次郎です

娘のいも子でしゅ


今回は中国の経済状況と今後について分析してきたいと思います。

前回は中国経済が強いと言われている理由を説明しましたが、いも次郎はそう単純ではないと考えています。

中国経済が抱えるリスクを指摘していきたいと思います。


   Table of Contents

中国は盤石か!?

中国が盤石かという問いに対しては、いも次郎は大いに疑問があると考えています。

中国は大きなリスクを抱えているのです。

それはアメリカとの貿易戦争か?それとも抑圧された人民が立ち上がるリスクか?

両者ともに可能性がないとは言い切れないのですが、それ以上に大きなリスクがあります。

それは中国共産党内部の権力闘争です。

中国の歴史は権力闘争と腐敗の歴史であり、多くの中華王朝がこれにより滅んできました。


今の中国の権力闘争を紐解くキーワードがあります。

それが「一帯一路構想」です。


そういえば前回、内需拡大にシフトしたって話があったけど、「一帯一路」はどうなったの?
あれって外に出る政策でしょ?
うまくいってるんじゃないの?

コロナ禍前まではそうでしたが、コロナ禍がすべてを変えてしまったんですよ。


一帯一路構想

一帯一路は現代のシルクロード政策とも言われ、中国とヨーロッパを陸路および海路で結び、貿易によって発展を遂げようという政策です。

これは習近平主席の肝いりの政策で、この一帯一路政策は順調に進んでいました。


しかし、コロナ禍が発生し、世界は人の移動を制限します。

中国としても、持ち前の統制力で国内の感染を封じ込めたとしても、統制が緩い外国からウィルスが持ち込まれる懸念があるだけに、国を閉じざるを得なくなるのです。

貿易拡大政策である一帯一路はここにきて足踏みせざるを得ない状況になってしまいました。


そして、2020年の全人代での李克強首相のあの発言が出てくるわけです。

内需拡大を主張するのは合理的で、当然と言えば当然でした。

しかし問題は、この発言が李克強首相の口から出たということです。

習近平主席と李克強首相は政敵同士なのです。


中国の政治情勢

中国共産党には下のような3つの派閥あると言われています。

派閥主要人物特徴
太子党習近平中国共産党の高級幹部の世襲グループ。親世代に作られたネットワークを活かし、政財界に大きな影響力を持つと言われています。
共青団胡錦涛・李克強中国共産主義青年団という若手エリート養成組織出身のグループ。
上海閥江沢民時の国家主席である江沢民が上海のトップであったときの部下グループ。国家主席に就任された後、彼らは中央でも重用された。

いも次郎はこの3つの派閥の権力闘争が中国経済のリスクだと考えています。


まさに三国志ね。


中国共産党の歴史を少し振り返って解説していきます。


ご存じの通り江沢民⇒胡錦涛⇒習近平の順番で国家主席になっていったわけですが、最も前の国家主席の江沢民です。


江沢民時代 ~外需主導型経済の全盛期~

彼は上海トップだったこともあり、上海などの沿岸都市の経済発展に注力しました。

沿岸都市には海運により大量の物資を運べるという強みがありますから、「世界の工場」の立地としては最高だったわけです。

上海には高層ビルが立ち並び、近未来都市さながらの経済発展を遂げました。

沿岸都市は「世界の工場」としての地位を確立したのです。

しかしながら、沿岸都市の経済発展はある問題を生み出してしまいました。

それは経済格差です。


胡錦涛時代 ~内需拡大の始まり~

次に国家主席になった胡錦涛は沿岸都市一辺倒を問題視しました。

古今の歴史において、前政権の反動政策を行うことはよくありますが、現代中国も例外ではないようです。

江沢民時代は上海などの沿岸都市は発展しましたが、内陸都市は依然として貧しいままだったのです。

そこで格差是正のため内陸都市の経済発展重視へとシフトしていくわけです。

内陸部は沿岸都市に比べて地理的な強みがあまりありませんから、それを補うためのインフラ整備を進めます。

中国高速鉄道ができたのも胡錦涛政権時代です。

このようにして、「世界の工場」としての外需拡大路線から内需型経済へのシフトを進めようとしていました。

しかしながら内需拡大のためのインフラ整備は汚職の温床にもなっていったのです。

そして次に国家主席になったのが習近平です。


習近平時代 ~再び外需主導型経済へ~

彼は、今度は一帯一路という海外進出を重視する政策に舵を切るわけです。

また前政権の反動政策です。

一帯一路はどちらかというと、「世界の工場」の地位を死守するという側面が強いです。

つまり、中国で製造した工業製品を一帯一路経済圏で売るというものです。

「世界の工場」ですから、外需主導の経済が進められることになります。

内需主導経済からまた外需主導経済へ舵がきられたのです。

そして、習近平はもう一つのスローガンを掲げます。

それが「腐敗の撲滅」です。


習近平一強時代

先ほどあったように内需の拡大は同時に汚職の温床にもなってしまいました。

それを問題視した習近平は腐敗撲滅を名目に他の派閥を冷遇し始めます

冷遇というより弾圧と言った方がいいかもしれません。

これにより上海閥・共青団は力を失い、習近平やほかの太子党メンバーが絶対的な力を持つようになったのです。


習近平主席率いる中国は、一帯一路が順調に進み、中国は裕福で偉大な国になったと大々的に喧伝し、習近平の地盤は盤石かと思われました。

そんな中コロナ禍が発生してしまったのです。


共青団の反撃

外需型経済政策の一帯一路の快進撃は止まり、共青団の李克強が「それ見たことか」と言わんばかりに内需拡大を主張しだしたのです。

経済が崩壊すると共産党体制自体が揺らぐ可能性があるため、背に腹は代えられない習近平は内需拡大政策である「双循環」を打ち出さざるを得なくなったわけです。

運が悪かったとはいえ、一帯一路を進めていた習近平主席はメンツが潰された形になってしまったのです。

メンツが極めて重要な中国において、これはかなりの打撃です。

これで習近平の一強体制が揺らぐ可能性が出てきました。



結論

今回、中国では習近平一強時代が揺らぎ、権力闘争が激しくなる可能性を示唆しました。

次回は、中国はそれによる経済への影響と中国はどうなっていくか、いも次郎の予測を紹介していきたいと思います。

That’s all!


関連記事


投資を始めるなら

米国株の取扱数で選ぶならマネックス!


ジュニアNISAで米国株が買える!手数料も安い!SBI証券!


最新記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA