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こんにちは。
いも次郎です
娘のいも子でしゅ
今回紹介するのはエクソンモービル(Exxon Mobil Corp, XOM)です。
収益性 (ストレスフリー度) | 11 / 20 点 |
安全性 (ストレスフリー度) | 8 / 20 点 |
効率性 (ストレスフリー&わくわく度) | 10 / 20 点 |
成長性 (わくわく度) | 8 / 20 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 11 / 20 点 |
こんな人におすすめ!
- 配当重視の人
- 世界情勢の分析に自身がある人
- 巨大企業に投資したい人
こんな人におすすめしません!
- キャピタルゲイン重視の人
- 安全性重視の人
- 成長性重視の人
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Table of Contents
企業概要
エクソンモービルはアメリカの総合エネルギー企業です。
いわゆる石油メジャーといわれる業態で、採掘から生産、輸送、精製、販売までの垂直的な流れを一括で行っています(垂直統合)。
ガソリンスタンドのエッソもエクソンモービル系列です。
製品の流れの中で複数企業が介在すると、各社が利益を最大化するために高い卸売価格を設定し、最終商品の価格が高止まりしてしまいます(ダブルマージナリゼーション)。
当然製品が高くなると、価格競争力が低下しますし、需要自体も落ちる可能性もあります。
垂直統合を形成することで、ダブルマージナリゼーションの問題が緩和され、価格競争力が増します。
石油などのコモディティについては差別化が難しく、価格競争力がものを言う世界です。
そのため、石油業界は垂直統合を形成する企業が圧倒的に強いわけです。
さらに、垂直統合形成にはコストがかかり、特に石油においては油田の場所が限られていますので、新規参入が難しいです。
よって、すでに垂直統合を形成している石油メジャーは圧倒的に強いという構造です。
エクソンモービルはそのような環境下におり、エクソンモービルは特に強力な位置にいるため、「スーパーメジャー」の一つに数えられています。
他のスーパーメジャーは以下の通りです。
- ロイヤル・ダッチ・シェル
- BP
- シェブロン
- トタル
- コノコフィリップス
先ほども指摘した通り、石油は差別化が難しく(どこの会社の石油がいいとか好きとか言う人はいませんよね)、価格が重要になります。
その価格は生産コストと生産量で決まります。
生産コストは自社の話なのですが、生産量は自社に加えて他社の動向が影響します。
つまり、自社が減産して価格を上げようとしても、他社が増産すればトータルの供給量が増え、結局価格が下がるというようなことがあるわけです。
そのため、OPECなどの産油国は生産量を調整して価格を維持しようとします。
数年前に中東でISILが勢力を伸ばした際は、ISじゃ他国と強調するなんてことはなく、大量の石油を生産して利益をあげる一方で、世界的には供給過多になり、原油価格が下落し、産油国や石油メジャーは打撃を受けるということも起こりました。
現在は(まだ生産コストが高い)シェールガスの台頭を防ぐため、原油を増産して石油価格を下げ、シェールガスの競争力を削ぐというようなことも起こっています。
つまり、世界情勢や技術革新の影響を受けやすい業種でもあります。
昨今でもコロナ禍で経済活動が制限された影響を受け、さらにバイデン政権の誕生でエネルギーシフトの波が到来する可能性が出てきました。
そんな激動の環境で、昨年にシェブロンとエクソンモービルの合併協議が行われていたという報道がありました。
スーパーメジャー2社の合併報道は衝撃でしたね。
超巨大メジャー誕生で、パワーバランスが一気に崩れる可能性があったわね。
エクソンモービルはエクソンとモービルの合併でできた会社ですが、これらの前身はアメリカ5大財閥の一つのロックフェラーが作ったスタンダードオイルが解体されてできた会社です。
そんなエクソンモービルですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
データ分析の方法をリニューアルしました。
収益性・安全性・効率性・成長性・株主還元性の5つを指標を用いて評価していきます。
さて、まずは収益性から見ていきましょう。
収益性
売上高推移
売上高はかなり波があるようです。
2014年以降、ISILの勢力が拡大したことにより原油価格が下落したことから端を発し、その後シェールオイル革命により売上高が低迷し続けたのが見て取れます。
それにしても売上高は20兆円以上と、かなり巨大な産業であることが分かります。
世界情勢から影響を受けるということがよくわかりますね。
収益性という意味では、波があるのはあまりよくないわね。
粗利率・営業利益率
粗利率は低く、原価の比率がかなり高いことが分かります。
また、営業利益率は高い年は10%以上ありますが、一方では2016年には0%近くにまで落ちていますので、波があることが分かります。
ちょっと収益性という意味では安定感はあまりないですね。
EPS推移
一株当たりの純利益を表すEPSですが、やはり売上高に連動しています。
やはり波が大きいですね。
波が高く不安定だけど、どれだけISILでダメージを受けてもプラスをキープしているのは評価できるわね。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
コロナ禍が発生してからすべての数字が悪化し、営業利益と純利益はマイナスになっています。
そして、2020年6月には2019年12月と比較すると売上高は半分まで落ち込んでいます。
ただ、2020年9月には上昇に転じています。
今後ワクチン接種がうまく効いて経済活動が再開することになると、売上高が急伸する可能性もありますね。
逆に言うと、ワクチン接種があまり効果がなくて、経済活動の停滞が続いたら、苦しい状況が続きそうね。
営業キャッシュフロー推移
営業活動によるお金の出入りを示す営業キャッシュフローの推移ですが、こちらも他の指標と連動しながらも、ここ10年はマイナスになることはありませんでした。
EPSほど波があるわけではありませんので、キャッシュを生む力はあるようです。
高い時は500億ドルもキャッシュを生んでいるわ。さすがね。
採点
売上高は波があり、各利益率は決して高くはないのですが、EPS・営業キャッシュフローはしっかりプラスを出し続けていますので、ほぼ中立で少し高評価の11点です。
財務安全性
次に財務安全性を評価していきます。
流動比率
流動資産÷流動負債で求められ、短期的な安全性指標である流動比率ですが、高ければ高いほど安全性が高いと評価され、一般的に100%を下回っていれば問題ありと評価されます。
エクソンモービルは基本100%を下回っていますね。
営業キャッシュフローからもわかるように、莫大なキャッシュを生み出し続けているからまだ許されているって感じですね。
もし営業キャッシュフローもかなり落ち込んだら、短期的な資金繰りが苦しくなるわね。
当座比率
流動資産の中でもより現金化しやすい当座資産を流動負債で割った当座比率ですが、こちらも短期的な安全性を示し、高ければ高いほどよく、一般的に70%以下であれば問題ありと評価されます。
エクソンモービルは基本70%を下回り、近年では50%前後をウロウロしています。
流動比率に続いて、当座比率も低いですね。近年はさらに状況が悪化しています。
短期安全性に難ありね。現金をたっぷり生んでいるようだから、すぐにどうこうというわけではなさそうだけど。
固定比率
固定資産を自己資本で割った固定比率ですが、こちらは長期的な安定性の評価に用いられ、低ければ低いほどよく、100%下回れば安全と評価されます。
エクソンモービルは150%以上で高止まりしております。
固定比率からも長期的にはあまり評価できませんね。
これも現金をたくさん生んでいるから許されている感じね。
自己資本比率
こちらも長期安全性を評価する自己資本比率で、少なくとも30%以上は欲しく、70%以上あれば十分安全であると評価できます。
70%には届かないものの、50%近くはあるようです・
自己資本比率からは長期的安全性はそこそこ高いと評価できそうです。
各比率で総評すると、安全性は微妙ね。。。
フリーキャッシュフロー推移
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計から算出され、資金繰りから安全性を評価するフリーキャッシュフローの推移です。
ここ10年はプラスで推移しています。
安全性の比率分析では微妙な評価でしたが、キャッシュの流れからは資金繰りに問題はなさそうです。
安全性の比率分析はフリーキャッシュフローが安定してプラスになっているから許されているわけね。
採点
フリーキャッシュフローが毎年プラスなのと、自己資本比率が安全圏なので、そこまで問題視するほどではありませんが、短期安全性が難ありなので、少し辛口の8点です。
効率性
次に効率性を見ていきます。
ROE
自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示すROEですが、アメリカ平均は16%前後だと言われています。
エクソンモービルのROEは波があり、5年は少し効率が悪くなっているようです。
まぁ、売上次第ということですな。
もっと言うと原油価格次第ということですな。
総資本回転率
売上高を総資産で割って算出され、総資産からどれだけ効率的に売上を生み出したかを表す総資本回転率ですが、業種にはよりますが、1.0以上あれば評価できるようです。
他の指標と同様、波があります。
情勢に非常に左右されるということがよくわかりますね。
安定性はないけど、情勢判断ができれば波乗り投資ができる可能性があるわね。
採点
効率性については、正直ここまで波があると評価が難しいです。
情勢次第ということで、中立の10点です。
成長性
次に成長性を見ていきます。
売上高増加率
上がったり下がったりの波が高いことが分かります。
世界情勢次第ということですな。
そうね、今更石油産業が右肩上がりなんて考えられないもんね。
営業利益増加率
一方で、営業利益率はじりじり下落し、ISILの台頭でついにゼロに近くなったところで、2017年に少し巻き返したのでこのような推移になっています。
成長産業と評価するのは難しそうです。
EPS増加率
EPS増加率についても、プラスになったりマイナスになったりと波があります。
EPSの増加率も傾向があるわけではなく、情勢に左右されているという感じですね。
成長性があるとは言えないけど、斜陽というわけでもなさそうね。
採点
各指標から成長性はあるとは言い難いですが、かといって斜陽でもありません。
ただし、長期的に見るとエネルギーシフトの波にのまれる可能性もありますので、少し辛口の8点です。
株主還元性
最後に株主還元について見ていきましょう。
一株当たりの配当金と配当利回り
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
この10年は増配を続けており、利回りも上昇傾向です。
どれだけ売上高、EPSが落ち込んでも増配を続けるというところから、配当には力を入れているようです。
利回り自体も高水準ね。
配当性向
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)は、バランスが大事で、高すぎても無理して配当を出しているという評価になり、低すぎても、配当を軽視しているという評価になります。
配当に対する考え方次第なので、明確な目安はありませんがいも次郎は30%~60%あたりが理想的であると考えています。
正直、波がありすぎて評価が難しいです。
利益がブレブレだもんね。
株価
株価の推移ですが、コロナ禍前は横ばい傾向だったのですが、コロナ禍で一気に値を下げています。
コロナ禍に対する楽観論が広がってきているので、徐々に株価を上げてきています。
長期的には完全に配当重視の銘柄ですね。
短期的には少し株価を下げすぎている気もするわね。
PER
2021年1月5日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は25倍台)は58.50と、若干割高なようです。
これはEPSがガクンと下がっているのが大きいようです。
採点
配当だけを考えると優秀な企業ですが、株価の面白味はあまりなく、少しだけ高評価の11点です。
総評
各評価全て良くもなく悪くもなくという感じですが、それはそれで投資先としてはバランスが取れているとも考えることもできますね。
まぁすべては世界情勢次第ということに尽きると思いますね。
まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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