【ディスカウントストア】コロナ禍耐性高めで安定のターゲット(TGT)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはターゲット(Target Corporation, TGT)です。


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企業概要

ターゲットはアメリカのディスカウントストアチェーンを運営する会社です。

扱う商品は幅広く、食料品から洗剤・掃除グッズなどの日用品・化粧品・家電・衣料品などなど、「日常生活に必要な商品はすべて揃う」というようなお店です。

いも次郎もアメリカに行ったときはターゲットで滞在中必要なものを買い揃えました。

本当に何でも売っていて、しかも安いんです。

具体的にあれがどれぐらい安かったっていうのは覚えていませんが、とにかく安かったです。

現在全米で1800以上の店舗を運営していますが、他のアメリカのスーパーマーケットと同様に広大な敷地に巨大な店舗を構える定番のスタイルから、若者向けの繁華街の小型店舗まで、さまざまなスタイルのお店を展開しています。

ボストンの小型店舗、Wikipediaから引用


また、eコマースも早くから取り入れ、2000年からTarget.comというオンラインプラットフォームを作り、Amazonとも協力関係にありました(現在は協力関係は解消されています。


歴史

設立は1902年で、George DaytonによってDayton’sという百貨店が作られたのが始まりです。

最初は百貨店事業がメインだったのですが、1962年にディスカウントストアをオープンします。

これが初代Targetの店舗です。

このディスカウントストアが当たり、1980年代には全国展開を進めることになります。

こうしてディスカウントストアが主力の巨大チェーンとして成長することになりますが、ウォルマートなどのこれまた巨大チェーンとも熾烈な競争を繰り広げることになります。

その後2010年代に入り、カナダ事業の失敗・情報漏洩問題にも直面し、ターゲットの薬局部門をCVS Healthに売却したりと、逆境の時代を迎えます。

そのような状況でもオンラインで注文し、店舗駐車場で受け取るという「ドライブアップ」と呼ばれる新たなオンライン注文サービスを展開するなど、時代に合わせて様々な施策を打ち出しています


CEO(Brian Cornell)

CEOのBrian Cornellはペプシコーラなどを製造するPepsiCoに20年近く在籍し、その後小売りチェーンの副社長・古巣のPepsiCoの子会社のCEOを経て2014年からターゲットのCEOに就任しています。

食品と小売りのプロといったところでしょうか。


そんなTargetですが、さっそくデータを見ていきましょう。

データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

通年データ

ディスカウントストアだけあって原価高めですね。

同じディスカウント小売りのRoss Storesも同じような損益計算書でしたから、こんなものなのでしょう。

四半期データ

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

2020年4月に一瞬沈みましたが、やはり生活必需品を取り扱っているので回復も早かったです。

むしろコロナ禍以前より全ての数字が伸びていますね。

コロナ禍耐性は高いと評価していいと思います。


売上高推移(ドル)

売上高推移ですが、安定飛行ですね。

コロナ禍耐性もありそうですし、安定感があっていいのではないでしょうか。


営業利益率(%)

営業利益率は低めですね。

ディスカウントストアなので仕方ないのでしょうが、同じディスカウントストアのRoss Storesよりも低いのはRoss Storesより幅広い商品を取り扱っているからでしょうか。


EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらも安定飛行ですね。

安定志向の投資家にはいいかもしれません。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

毎年増配傾向で、利回りもまぁまぁいい部類に入るのではないでしょうか。


生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。

利益を程よく配当に回しているのが分かります。

やはり40~50%での推移は安心感を与えますね。


またターゲットはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

Buybackもここ数年は毎年行っていますし、水準も高めなので、Buybackには積極的な姿勢がうかがえます。

ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

2010年から2017年にかけてはカナダ事業の失敗や情報漏洩問題、薬局部門の売却など、あまりいいことがなく、株価も我慢の期間が続きましたが、2018年以降はぐんぐん伸びていますね。

コロナ禍で一瞬へこんでいますがすぐに戻し、現在はコロナ禍前の水準を上回っています。

割安性を表すPER(低ければ低いほど割安)は2020年11月で20倍あたりで推移していますから、アメリカ平均ぐらいなので、高くもなく安くもなくという感じですね。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

純資産はそこそこありますが、流動比率(=流動資産÷流動負債)が100%を下回っています。

流動比率が100%を下回っていると、1年以内に現金化できる資産以上に1年以内に返すべき借金が多いことを意味しますので、一般的にはあまりいい状況ではありません。

小売は売り上げを債権ではなく現金で回収される場合が多いですので、流動比率が100%を下回っていても売上から現金を作ることができますから、あまり気にする必要がないようです。

ですので、あとで見るキャッシュフローでしっかり営業キャッシュフローを生み出していれば問題なさそうです。


自己資本比率(%)

自己資本比率ですが、若干減少傾向ですが水準自体は問題なさそうです。


利益余剰金

純資産の内、利益余剰金の推移は上の通りです。

こちらも安定していますので、財務的には安定しているようです。


ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、20%以上で安定しています。

20%を超えれば十分高いですので(日本だと10%を超えれば高い部類です)、効率よく利益をあげられているようです。


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

毎年しっかり営業キャッシュフローを生み出しており、増加傾向にあります。

先ほどの流動比率の低さをカバーできるほどしっかり営業キャッシュフローを生み出していますので、問題なさそうです。

投資にもほどほどにお金を使っていますので、将来に対しても期待が持てますね。


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)6 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)5 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)7 / 10 点
成長性 (わくわく度)6 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は高評価でした。


利益安定性については、営業利益率は高くないものの、売上高、EPSは安定していますし、ROEも高水準なので、ちょっと高評価の6点です。


財務健全性については、流動比率が100%を下回っているものの、小売業なのですぐに現金を生み出せますし、営業キャッシュフローが安定しているので気にする必要はなさそうなので、ひとまず中立の5点を付けました。


株主還元性については、増配傾向で利回りもそこそこですし、配当性向もバランスが取れており、株価の推移も上向き傾向でPERも平均的なので高評価の7点です。


最後に成長性ですが、eコマースにも力を入れていますし、投資にもしっかりお金を使っているので、激しく成長はしなさそうですが、安定して成長しそうな気配ですので、ちょっと高評価の6点を付けました。


今回はでしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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