【不動産】商用REITの覇者サイモン・プロパティ(SPG)

こんにちは。

いも次郎です

娘のいも子でしゅ


今回紹介するのはサイモン・プロパティ(Simon Property Group Inc, SPG)です。

収益性
(ストレスフリー度)
16 / 20 点
安全性
(ストレスフリー度)
8 / 20 点
効率性
(ストレスフリー&わくわく度)
14 / 20 点
成長性
(わくわく度)
7 / 20 点
株主還元性
(わくわく度)
15 / 20 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください


こんな人におすすめ!

  • インカムゲイン重視の投資家
  • コロナ禍からの復活銘柄を探している人
  • 安定性重視の人


こんな人におすすめしません!

  • イケイケのグロース株派
  • 安全性重視の人
  • 何が何でも減配が許せない人


   Table of Contents

企業概要

サイモン・プロパティはアメリカの不動産会社です。

取り扱っている不動産はショッピングモール・アウトレットモールなどの商用不動産やオフィスビル、コミュニティセンター、ホテル、住宅など多岐にわたります。

メインはショッピングモール・アウトレットモールで、日本でも有名なプレミアムアウトレットを運営しており(日本のプレミアムアウトレットはサイモン・プロパティと三菱地所の合弁会社が運営しています)、アメリカ国内だけで76カ所もあります。

また、ショッピングセンターのミルズも運営しており、全米に16カ所あります。

そのほかにも全米に116カ所以上ショッピングモールを所有しており、アメリカで最大のショッピングモール運営会社です。


業種的にはコロナ禍でのダメージは大きそうですね。

逆に言うとコロナからの復活狙いで投資するのもありね。


そんなサイモンプロパティですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

収益性・安全性・効率性・成長性・株主還元性の5つを指標を用いて評価していきます。

さて、まずは収益性から見ていきましょう。

収益性

売上高推移

売上高の推移ですが、コロナ禍前までは緩やかに上昇していたようです。


コロナ禍までは堅調だったようです。

コロナ禍での下落も航空業界ほどではないわね。


粗利率・営業利益率

粗利率と営業利益率の推移ですが、コロナ禍までは安定していたようです。

水準については、粗利率の業界平均65%と営業利益率の業界平均26%に対しても高水準を維持しています。


安定感があり、水準自体も高いですね。
収益性は高そうです。

コロナ禍で多少ダメージを受けているけど、やっぱり航空業界に比べるとかすり傷ね。


EPS推移

一株当たりの純利益を表すEPSの推移ですが、近年は上昇傾向が続いていました。

2020年は半減しているものの、赤字転落は回避できています。


EPSの推移からも堅調だったことが分かります。

コロナ禍の影響は売上高の減少と営業利益率の減少のダブルパンチでさすがにかすり傷とはいかないけど、でも赤字転落していないだけ全然マシね。


四半期データ

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

2020年9月が底で、その後はやや持ち直しており、また底でも赤字転落は回避できています。


コロナ禍耐性が高いわけではありませんが、航空業界ほどの焼け野原ではないようです。

ただ、REITだから配当ガッポリ持ってかれるだろうし、影響は軽視すべきではないけどね。


営業キャッシュフロー推移

営業活動によるお金の出入りを示す営業キャッシュフローの推移ですが、2019年までは右肩上がりでした。


近年は本当に堅調だったようですね。しっかりお金を作り出しています。

2020年も踏ん張っているように見えるわね。航空業界を分析した後だからマシに見えるだけかしら。。。


採点

利益率は高く、売上高と営業キャッシュフローは安定した推移を示しており、コロナの中でも踏ん張りを見せていますので、高評価の16点です。


財務安全性

次に財務安全性を評価していきます。

流動比率

流動資産÷流動負債で求められ、短期的な安全性指標である流動比率ですが、高ければ高いほど安全性が高いと評価され、一般的に100%を下回っていれば問題ありと評価されます。

2014年以降サイモン・プロパティの流動比率は安全圏を下回る状況が続いています。


デジタル・リアルティ(DLR)は流動比率が100%を大きく下回っていましたが、キムコ・リアルティやグリーン・リアルティはそこまで低い水準ではなかったので、不動産だから低くてもOKということにはならなさそうです。

ちなみに不動産業界の平均値も144%ほどなので、サイモン・プロパティは低水準ね。


当座比率

流動資産の中でもより現金化しやすい当座資産を流動負債で割った当座比率ですが、こちらも短期的な安全性を示し、高ければ高いほどよく、一般的に70%以下であれば問題ありと評価されます。

こちらも近年は安全圏を下回っています。


流動比率とそこまで大きな差がないので、焦げ付いた資産がたくさんあるというわけではなさそうです。


固定比率

 固定資産を自己資本で割った固定比率ですが、こちらは長期的な安定性の評価に用いられ、低ければ低いほどよく、100%下回れば安全と評価されます。

固定比率も基準値をだいぶ逸脱しています。

ただし、不動産業界は固定資産を運用して利益をあげる会社ですので、固定比率はかなり高い傾向にあります。


不動産ですし、問題にする必要はなさそうです。


自己資本比率

こちらも長期安全性を評価する自己資本比率で、少なくとも30%以上は欲しく、70%以上あれば十分安全であると評価できます。

サイモン・プロパティは低水準で推移しており、さらに近年は下落傾向です。


他の不動産企業はここまで低い水準ではなかったので、かなり気になりますね。

下がり方が怖いわね。


フリーキャッシュフロー推移

営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計から算出され、資金繰りから安全性を評価するフリーキャッシュフローの推移です。

フリーキャッシュフローは2020年までは右肩上がりだったようです。

2020年は急落していますが、それでもマイナスに転落するという心配は今のところありません。


お金の流れはしっかりしていますね。

他が散々だったから一安心ね。


採点

流動比率・自己資本比率共にかなり低い水準で推移していますが、フリーキャッシュフローは健全そうですので、それでも少し辛口の8点です。


効率性

次に効率性を見ていきます。

ROE

自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示すROEですが、アメリカ平均は16%前後だと言われており、不動産業界においては11%前後です。

サイモンプロパティは平均を大きく上回っています。


自己資本比率が激低ですから当然と言えば当然ですね。


総資本回転率

売上高を総資産で割って算出され、総資産からどれだけ効率的に売上を生み出したかを表す総資本回転率ですが、不動産業界の平均は0.18なので、サイモン・プロパティはおおむね平均のようです。


こちらは自己資本比率の低さは関係しませんから、まぁ普通といったところなのでしょうか。

普通を馬鹿にしちゃだめよ、普通が一番という考え方もあるわよ。


採点

総資本回転率は平均的ですが、ROEは平均を大幅に上回りましたので、高評価の14点です。


成長性

次に成長性を見ていきます。

売上高増加率

売上高成長率ですが、コロナ禍前までは緩やかに成長しています。

なお、業界全体の2020年の対前年比売上高成長率は+13.39%で、5年成長率は平均+13%に対してサイモン・プロパティは-2.64%ですので、売上高成長率に関しては業界の成長にはついて行けていないようです。


サイモン・プロパティはすでに巨大成熟企業ですから、大きな成長はあまり期待できそうもないですね。

どちらかというと安定して利益を生み出す方に主眼を置くべきね。


営業利益増加率

営業利益成長率についても、コロナ禍前までは緩やかに成長していたようです。


成熟企業ながら、緩やかにでも成長しているのは良いことですね。


EPS増加率

EPSの成長率についても、成長している年の方が多いようです。

なお、業界全体の2020年の対前年比EPS成長率は+82.3%で、5年成長率は平均+19.82%に対してサイモン・プロパティは-9.39%ですので、EPS成長率に関しても業界の成長にはついて行けていないようです。


平均との大きな乖離はやはりコロナ禍によるものなのでしょうか。

そうであればコロナ禍からの復活成長は期待できるかもよ。


採点

全ての成長率が業界平均を下回っているため、今のところは辛口の7点です。

ただし、コロナ禍が収束した後の復活は期待できると思います。


株主還元性

続いては株主還元について見ていきましょう。

一株当たりの配当金と配当利回り

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

2019年までは増配が続いてましたが、さすがに2020年は減配したようです。

利回りについてはかなりの高水準を維持しています。


高配当銘柄確定ですね。

ここまで高配当だと配当性向が気になるわね。


配当性向

生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)は、バランスが大事で、高すぎても無理して配当を出しているという評価になり、低すぎても、配当を軽視しているという評価になります。

サイモン・プロパティの配当性向はかなり高く、おおむね100%を超えています。


なんとなく無理して配当を出している感じもします。

他の不動産業界も配当性向は激高だったから、こんなもんなのかもね。


株価

株価の推移ですが、2016年以前は右肩上がりでしたが、その後やや足踏みしてコロナ禍では爆下げしています。

その後は順調に回復し、コロナ禍前の水準に近づきつつあります。


株価もコロナ禍以外ではそこまで大暴れしているわけではないので、まずまずではないでしょうか。

それにまだまだコロナ禍回復上げが期待できそうよ。


PER

2021年4月8日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は25倍台・業界平均は49.14倍)は32.42倍と、業界平均よりは低い水準です。


ベータ値

株式市場全体との相関関係を示すベータ値ですが、 サイモン・プロパティは1.53です。

ベータ値は1だと市場全体と同じ動きをし、1以上だと市場が上昇相場では株価を市場平均より大きく上げ、下落相場だと逆に市場平均より下がる傾向にあると評価されます。

0だと市場には関係なく株価が動き、マイナスだと市場全体とは逆の動きを見せるということになります。

サイモン・プロパティの株価は市場よりやや激しく動くようです。


採点

配当性向は高めですが、高配当で株価の推移も悪くなく、コロナ禍復活上げの最中ですので、高評価の15点です。


総評

安全性にはやや難ありですが、すでに巨大企業ですので、そこまでリスクが高いわけではないと思います。

また収益性は高いですし、株主への還元も問題ありませんので、ワクワク枠として持っておいてもいいかもしれません。

ただし、コロナ禍復活が落ち着いた後は大きな成長は期待できませんから、長期での持続した株価の大きな上昇はそこまで期待できないかなとは思います。


まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!


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