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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはスナップオン(Snap-on, SNA)です。
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Table of Contents
企業概要
スナップオンはアメリカの工具メーカーです。
主力製品はナットなどを締めるソケットやレンチです。
自動車整備工場などで整備士さんがナットを付けるときに使用する電動の工具がそれです。
このほかにも様々な工具を作っていますが、家庭用工具から自動車向け、航空機向け、石油プラント向け、さらには医療向けの工具まで幅広い顧客に対して商品を展開しています。
F1レースのタイヤ交換にもスナップオンの工具が使用されているようです。
スナップオンの製品は小売店では販売しておらず、販売用のトラック・バンで整備工場などの顧客を訪問して販売するという巡回スタイルをとっています。
日本でもそのスタイルは変えずに販売しているようです。
創立は1920年で、ソケットレンチを開発し、モータリゼーション黎明期のアメリカの工業を支えながら成長してきました。
CEOのNicholas T. Pinchukはフォードやキャリアなどで要職を歴任したのち、2007年からスナップオンのCEOに就任しています。
工業経営のプロといったところでしょうか。
そんなスナップオンですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
毎年安定して純利益を生み出しています。
製造業ですが、原価はそこまで高くないですね。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
2020年に入ってからすこし売上高が落ち込んでいますが、9月には反転していますから、あまり影響はなさそうです。
苦境に陥っているのは航空産業などだけで、工業系全般が苦境に立たされているわけではありませんので、スナップオンの影響も限定的ということでしょう。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、若干上昇傾向ですね。
激しい動きを見せるわけではなく、安心の推移です。
営業利益率(%)
営業利益率の推移ですが、こちらも高水準で安定しています。
利益を生み出す力は申し分なさそうです。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらも上昇傾向が続いています。
株主にとっても安心感がありますね。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
ここ数年は毎年増配しており、利回りはそこまで高くはないですが、こちらも上昇傾向です。
今後に期待が持てる推移を見せていますね。
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。
米国の配当性向は50%前後を推移する銘柄がザラにありますから、スナップオンの配当性向は決して高くはありません。
配当性向からは配当にそこまで力を入れているわけではなさそうなのですが、それでもぼちぼちの利回りですから、配当に力を入れだしたらかなりの高利回りになることも期待できます。
またスナップオンはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
ここ数年は配当利回りに匹敵する(もしくはそれ以上)Buybackで還元していますね。
Buybackにはそこそこ力を入れているようです。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
ここ数年は横ばいの心電図状態ですね。
2015年以前は株価は右肩上がりでしたが、ここ数年は株価での還元より配当での還元が主軸のようです。
そうであれば利回り2%前後は物足りない気もしますね。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
純資産はたっぷりあり、さらに流動比率(=流動資産÷流動負債)も200%近くありますし、全負債を流動資産のみで賄えてしまえるほど借金が少ないです。
流動比率が高いと短期的に債務不履行に陥る心配はありませんから、短期的に安定していると言えます。
自己資本比率(%)
自己資本比率の推移ですが、50%以上を推移し、ここ数年は増加傾向にあります。
長期的にも安定感がありますし、その安定感はここ数年でより増してきています。
利益余剰金
純資産の内の利益余剰金(ざっくり言うと儲けて貯めたお金)の推移ですが、こちらも上昇傾向です。
抜群の財務安定性を見せています。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、アメリカの平均がおよそ16%前後と言われていますから、ただでさえ効率よく利益を生み出しているアメリカにおいても効率よく利益を生み出していることが分かります。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
最後にキャッシュフローの推移ですが、毎年しっかり営業キャッシュフローを生み出しており、毎年投資にはお金を使っていますが、営業キャッシュフロー以上にはお金を使わないという、安定企業の理想像のようなキャッシュフローをみせています。
問題なさそうです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 8 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 8 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 4 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 5 / 10 点 |
今回は高評価でした。
利益安定性については、安定した売上高とEPS、高い営業利益率とROEとまぁ文句なしですね。
ただ、化け物級かと言われればそこまでではありませんので、それでも高評価の8点です。
財務健全性については、流動比率も自己資本比率も高く、利益余剰金も毎年増やし、キャッシュフローも理想的な形ですので、高評価の8点です。
株主還元性については、利益も出して財務も安定してながら、株価は横ばいで配当利回りも決して高くはありませんので、物足りなさを感じ4点です。
ちなみに2020年12月15日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍台)は10倍ほどですので、割安と言えます。
ですので、今後長期金利が上昇し、低PER銘柄にもスポットライトがあてられるようになったときに、もしかしたら株価が上昇するかもしれません。
最後に成長性ですが、製造しているものが工具ですので、爆発的な伸びは期待できませんが、工具が不要になる世の中が来るとも考えられませんので、中立の5点を付けました。
ここ数か月で中国の経済回復が見られ、工業全般に対する反動需要がもしかしたらあるかもしれませんから、そうなるとスナップオンの成長性はぐんと上がる可能性はあります。
今回は安定性の部分でかなり高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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