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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはレスメド(ResMed, RMD )です。
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Table of Contents
企業概要
レスメドはアメリカの医療機器メーカーです。
レスメドは睡眠時無呼吸症候群や呼吸器疾患に関する医療機器やモニタリングデバイスを提供しています。
例えば、睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠時に鼻に装着するCPAPというマスクが代表的な製品です。
睡眠時無呼吸症候群は文字通り睡眠中に呼吸が長時間止まってしまうという疾患ですが、これにより睡眠の質が低下し、慢性的な睡眠不足に陥ります。
結果、日中に集中力が低下し、さらには居眠り事故などを誘発するリスクが高まります。
また、心臓発作や脳梗塞など、様々な致命的疾患を誘発するリスクを高めるなど、睡眠時無呼吸症候群は全く侮れない疾患です。
睡眠時無呼吸症候群の治療法としてCPAP療法というものがあるのですが、これはCPAPという空気が送られるマスクを鼻に装着することで、空気が軌道に送られ続け、気道が閉塞することを防ぎ、無呼吸による様々な障害を取り除くというものです。
レスメドはこのCPAPとさらにCPAP使用中の呼吸状態を監視するアプリケーションを提供しており、利用者の睡眠・呼吸のアドバイス・サポートを行っています。
現在睡眠時無呼吸症候群の認知患者は人口の1-6%程ですが、認知されていない患者や軽・中症患者を合わせればその数は激増すると言われています。
原因は高カロリーな食生活による肥満化で気道が圧迫されること、あごの力の減少で圧迫に反発できなくなることが挙げられ、生活習慣病の一面を持っています。
今後睡眠時無呼吸症候群の患者は増え続けると考えられており、CPAPの需要が増加することも考えられます。
CPAPを製造するメーカーはレスメド以外にもあり、例えばフィリップスや日本では帝人も製造しています。
事業はアメリカのみならず、世界140カ国で展開しているようです。
創業は1989年で、現在のCEOは創業者の子供であるMick Farrell氏です。
そんなレスメドですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
毎年しっかり純利益を出しています。
ヘルスケアなので研究開発費で営業費用がそこそこ掛かっていますが、原価もしっかりかかっていますね。
以前分析した医療機器メーカーのアビオメッドは営業費用が高めで、ダヴィータが原価高めでした。
医療機器メーカーでもいろいろな損益計算書の形があるんですね。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
コロナ禍は全く影響がない、っというかむしろ追い風のようです。
レスメドはコロナ重症者の治療に用いられる人工呼吸器も作っており、需要が爆発的に増えたのが影響しているようです。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、順調に伸びています。
今後も睡眠時無呼吸症候群の患者は増えることが予想されており、さらにコロナ禍も追い風となって、来年以降も売上高が伸びそうな気配です。
営業利益率(%)
営業利益率の推移ですが、今まで分析してきた医療機器メーカーに負けず劣らず高い水準を維持しています。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、2020年はコロナ禍の追い風があり急上昇していますが、それ以前は安定飛行でした。
安心感があるEPSですね。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
ここ数年は増配が続いていますが、配当利回り自体はそこまで高くはありませんね。
増配していながら利回りが下がっていますので、株価は安定して上がっていそうですね。
株価の推移は後で見ましょう。
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。
50%近くを推移しており、配当にはそこそこ力を入れていることが分かります。
またレスメドはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackを含めてもそんなに高くはありませんね。
そして、Buybackは毎年行っているわけではないみたいです。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
予想通り右肩上がりですね。
コロナ禍発生直後はそこまで下がっていませんが、夏にかけてなぜか大きく下がっています。
現在は下落前の水準まで戻しています。
2020年12月2日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍台)は45倍ほどですので、ハイテク銘柄に負けず劣らず割高のグロース株って感じですね。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
流動比率(=流動資産÷流動負債)は200%以上ありますし、純資産もたっぷりありますから、短期的にも長期的にも問題なさそうです。
固定資産・固定負債が共に増えていますが、内訳を見るとのれんがかなり増えています。
積極的に企業買収し、規模を拡大している様子がここから伺えます。
自己資本比率(%)
財務の鬼のアビオメッドには及びませんが、高水準を維持しています。
安心感がありますね。
利益余剰金
純資産の内の利益余剰金の推移ですが、順調に額を伸ばしています。
利益から順調にお金を貯めていることが分かります。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、アメリカ平均(16%程度)以上で推移していますから、効率よく利益を生み出していると言えそうです。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
毎年しっかり営業キャッシュフローを生み出しています。
また、2020年はコロナ禍の追い風を受けて、例年以上に営業キャッシュフローを生み出しています。
投資にもしっかりお金を使っていますので、キャッシュフローも全く問題なさそうです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 8 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 7 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 7 / 10 点 |
今回は高評価でした。
利益安定性については、売上高が上昇傾向であり、営業利益率・ROEも高水準で安定していますので、高評価の8点です。
財務健全性については、流動比率と自己資本比率がそこそこ高く、安心感がありますので、そこそこ高評価の7点です。
株主還元性については、配当利回りは高くはありませんし、PERもハイテク銘柄なみに高いですが、今までの株価の推移はかなりイケていますので、そこそこ高評価の7点です。
最後に成長性ですが、コロナ禍の治療に必要な機器を作っていますし、睡眠時無呼吸症候群の患者は今後ますます増加することが予想できますから、CPAPの需要増が期待でき、そこそこ成長するのではないかと思っています。
ですので、そこそこ高評価の7点です。
今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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