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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはPPGインダストリーズ(PPG Industries, Inc., PPG)です。
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Table of Contents
企業概要
PPGはアメリカのガラス・グラスファイバー・塗料・コーティング剤メーカーです。
一見関連性のないガラス・グラスファイバー製品と塗料・コーティング剤ですが、流通チャネルが同じだったため、比較的初期の段階で両方製造・販売していたようです。
PPGの製品は、一般的な建築用の塗料・コーティング剤・建物のガラスなど建築向け製品や、自動車のガラス・塗料・コーティング剤、さらには航空機のペイント用の塗料や窓に使われている特殊なガラスなど、多種多様な用途で用いられています。
航空機の窓は紫外線を除去したり、過酷な環境下でもびくともしない強度・軽量化など、かなり高い要件を満たす必要がありますが、PPGはそれらをクリアできる高い技術を持っているようです。
現に、ボーイング787(ボーイングの最新機)のボタンを押して透過率を調整できる偏光ガラスはPPGの製品が用いられているようです。
市場はアメリカのみならず、世界中で製品を販売しているようです。
創立は1883年で最初はピッツバーグで板ガラスの製造を行っていました(なので、「PPG」は「Pittsburgh Plate Glass」の頭文字をとって生まれた社名だそうです)が、その後上記の理由で塗料やコーティング剤の製造も始め、他の大企業と同様に買収や合併により現在のようなガラス・塗料分野においては世界有数の規模を誇る企業へと成長しました。
なお、塗料においてはオランダの企業であるアクゾノーベルが収益においては世界最大であり、次がPPGだそうです。
CEOのMichael H. McGarryはPPGのエンジニアからキャリアをスタートさせ、今までPPG一筋の生え抜きのCEOです。
そんなPPGですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
ここ数年は毎年純利益を生み出し続けているようです。
製造業なので原価が若干高めです。
また、原価に若干の波があるように感じます。
原料が少し価格変化を起こしやすいようです。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
コロナ禍での落ち込みも見られますが、9月の決算では上昇に転じており回復が見込まれます。
コロナ禍の影響はあまりなさそうです。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、こちらは安定の水平飛行です。
ガラスや塗料の需要が一気に増えたり落ち込んだりは今後もあまり考えられませんから、今後も安定の水平飛行が続きそうです。
営業利益率(%)
売上高ほどではないですが、比較的安定はしています。
原価の動きが若干大きいようです。
水準自体は高くはありませんが、問題はないですね。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、営業利益率がそこまで高くない分、営業外損益の影響を激しく受けるようです。
総評するとEPSもおおむね横ばいで、安定利益の銘柄のようです。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
ここ数年は増配が続いていますが、利回り自体は若干物足りなさを感じます。
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。
おおむね30%台ですから、いたって平均的な水準だと思います。
なので、よほどのことがない限りは緩やかに増配を続けていきそうです。
ただPPGはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
配当よりBuybackに熱心なようです。
ただいも次郎個人的な好みですが、Buybackは配当に比べてやめるハードルが非常に低いので、あまり高く評価できないんですよね。。。
また、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
ここ数年は横ばい傾向でしたが、コロナ禍による落ち込みの後、反動でコロナ前の水準を軽く超えていっています。
ガラスにしても塗料にしてもオフィス需要減に伴う建設系ダメージ、航空系ダメージが予想されていたにもかかわらず、四半期データでもあったように影響はあまりなさそうだと分かったため、コロナ前以上に買われる結果となったのでしょうか。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
流動比率(=流動資産÷流動負債)は100%を安定して上回っていますから、短期的には問題なさそうです。
製造業なので、工場などの固定資産が比較的多めですが、流動資産も決して少ないわけではなく、いい貸借対照表だと思います。
自己資本比率(%)
自己資本比率の推移ですが、30%前後を推移しており、安定していますので、長期的にも問題はなさそうです。
利益余剰金
純資産の内の利益余剰金(ざっくり言うと儲けて貯めたお金)の推移ですが、こちらも上昇傾向です。
財務的には問題はなさそうです。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、アメリカの平均がおよそ16%前後と言われていますから、効率よく利益を生み出していると言えそうです。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
毎年安定して営業キャッシュフローを生み出しており、投資もほどほどの行っていることが伺えます。
特には問題なさそうです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 6 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 4 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 5 / 10 点 |
今回は安定性については高評価でした。
利益安定性については、営業利益率は高くはありませんが、売上高、EPS、営業キャッシュフローが安定しており、ROEも高水準ですので、高評価の7点です。
財務健全性については、流動比率は特段高いわけではありませんが安定して100%を超えており、短期的にはあまり心配なく、自己資本比率もぼちぼちの水準ですので、やや高評価の6点です。
株主還元性については、株価がコロナ禍から立ち直っている様子がうかがえるものの、ここ数年は横ばい傾向が続いており、それにしては配当利回りも高くありませんので、若干辛口の4点です。
ちなみに2020年12月18日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍台)は31倍ほどですので、若干割高ですね。
最後に成長性ですが、コロナ禍がおさまれば反動需要が一時的には期待できますが、今後ぐんぐん伸びていく産業であるとはあまり思えませんし、現に売上高は横ばいで推移していますから、中立の5点です。
今回は若干評価が高いですが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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