【電力】既存と代替の二刀流のNextEra Energy(NEE)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはNextEra Energy(NEE)です。

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企業概要

NextEra Energyはアメリカの電力・ガス等のエネルギー関連事業者の持株会社です。

最大の子会社であるFlorida Power & Lightはフロリダ州で500万以上の契約者を抱え、全米で3番目に大きな電力会社です。

アメリカの電力事情は複雑で、前回分析したPPLで詳しく解説しています。

NextEra Energyは原子力や火力などの従来エネルギーに加え、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを用いた発電にも盛んに投資を行っているようで、再生可能エネルギー発電のアメリカ最王手となっています。

NextEra Energyの前身はFlorida Power & Lightであり、こちらは1925年に設立されました。

2010年に社名を変更し、現在の体制となっています。

ちなみに、Florida Power & Lightは1987年にデミング賞を日本国外の企業で初めて受賞しました。

デミング賞とは日本科学技術連盟が運営するTQM(総合品質管理)に関する経営学の賞です。

会長のJames L. Roboはハーバードビジネススクールを卒業後、経営コンサルティング会社で重役まで上り詰め、さらにGEに転籍後重役を歴任し、2002年にNextEra Energyに入社し、2013年から会長を務めています。

そんなNextEra Energyですが、さっそくデータを見ていきましょう。

データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

毎年しっかり純利益を出しています。

損益計算書は再生可能エネルギーに力を入れているAES(原価激高)よりPPLの方に近い感じですね。

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

すり傷程度でほとんど影響なさそうですね。

やはり電力は自然災害以外には強いですね。

売上高推移(ドル)

まぁ安定飛行ですね。

2019年に少し伸びていますが、この先の動きに注目です。

営業利益率(%)

営業利益率も安定飛行です。

水準もかなり高いですし、とてもいいと思います。

EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらは若干動きがあるものの、売上高・営業利益率は安定していますので、心配ご無用ですね。

株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

増配傾向で、配当利回りもそこそこです。

利回りは減少気味ですので、株価が上がっているのでしょうか。

配当性向も少し見てみましょう。

利益をかなり配当に回しているのが分かります。

ムリして出しているという感じはしませんが、今以上に配当を求めるのはちょっと難しそうです。

NextEra EnergyはBuyback(自社株買い)を今年はしているようですが、それまでは過去5年間はやっていなかったようです。

ちなみにBuyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

右肩上がりですね。

コロナ禍の影響で若干株価を下げましたが、もう以前の水準まで戻していますので、やはりコロナ禍の影響はなさそうですね。

なお、PERは分析時には35倍以上になっていますので、若干割高かなぁという気がします。

貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

純資産はたっぷりありますが、流動比率(=流動資産÷流動負債)は100%を下回っています。

流動比率が100%を下回っているということは、1年以内に工面できる現金以上に1年以内に返すべき借金が多いということです。

普通流動比率が100%を下回っているとあまりよくない状況なのですが、PPLもそうでしたが、電力会社はすぐに顧客から現金を回収できるという特性上、流動比率が低くてもあまり問題がないようです。

それにしてもPPLと形がそっくりですね。

自己資本比率(%)

自己資本比率は増加傾向ですね。

安定飛行を続けていていい感じです。

ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、2017年・2018年は一時的に高くなっていますが、そのほかの年を見ると普通か、若干低めですね。

キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

営業キャッシュフローで安定して現金を生み出していますね。

しかし、投資にすさまじくお金を使って使っていますね。

再生可能エネルギーにかなり力を入れているようなので、大統領選挙の結果次第では投資のリターンをすぐに得られるかもしれませんね。

結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)8 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)5 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)6 / 10 点
成長性 (わくわく度)7 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は高評価でした。


利益安定性については、売上高も営業利益率も安定飛行ですし、営業キャッシュフローで安定して現金を生み出していますので、高評価の8点です。


財務健全性については、流動比率が100%を下回っていたのが、気にしなくていいと言っても若干は気になるのと、投資キャッシュフローが毎年高額なのが若干気にはなりましたが、自己資本比率も高めですから、中立の5点を付けました。


株主還元性については、株価が上昇傾向で配当もそこそこの水準ですが、若干割高かなぁという感じもしますので、それでも高評価の6点を付けました。


最後に成長性ですが、再生可能エネルギーにかなりの投資を行っているので、大統領選挙次第では大きく伸びると思います。

ですので、高評価の7点を付けました。


今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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