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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはマリオット・インターナショナル(Marriott International, Inc., MAR)です。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 4 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 3 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 3 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 4 / 10 点 |
こんな人におすすめ!
- 長期的に保有し、ある程度キャピタルゲインをゲットしたい人
- マリオットを応援したい人
- 旅行業界の回復を期待している人
- Buyback重視派
こんな人にはおすすめしません!
- 配当をがっつりほしい人
- 安定性・健全性重視の人
- 超成長を期待している人
- アンチ・イベントリスク派
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Table of Contents
企業概要
マリオット・インターナショナルは世界最大規模のホテルチェーンです。
マリオットホテルは知ってるわいって感じですかね。
マリオットホテル自体はマリオットグループの一つのブランドに過ぎず、マリオット・インターナショナルは様々なブランドを抱えた巨大グループです。
ブランドも幅広く、まず伝統的な格式を重視するクラシックとユニークな体験を提供するディスティンクティブの水平的な2つのジャンル分けられます。
さらに、品質の垂直的な差である「ラグジュアリー」「プレミアム」「セレクト」「長期滞在型」「コレクション」に分類されます。
たとえば、格式が非常に高い高級ホテルとしてリッツカールトンが挙げられますが、これはマリオットの「クラシック・ラグジュアリー」ブランドです。
また、有名ブランドのブルガリのゴージャスさを体現したブルガリホテルズ&リゾーツは「ディスティンクティブ・ラグジュアリー」に分類されます。
そのほかにも「クラシック・プレミアム」にマリオット、シェラトン、「ディスティンクティブ・プレミアム」にウェスティン、「クラシック・セレクト」にコートヤードを抱えています。
このように多種多様なサービス・品質を持つホテルブランドを運営しています。
マリオットは1927年に創立され、最初は飲食店を運営していました。
この飲食店があたり、次に機内食事業に参入します。
機内食事業もあたり、続いて1957年にホテル事業に参入します。
これまた大当たりし、1989年からホテル事業に専念することになりました。
その後買収を繰り返し、9.11を乗り越え、今のような世界最大規模のホテルチェーンへと成長しました。
ちなみに、ウェブでのホテル予約を始めたのはマリオットであり、先進的な部分も見られます。
現在の会長は創業者一族であるBill Marriottですが、CEOのArne Sorensonは1996年にマリオット・インターナショナルに入社し、2012年からCEOを務めています。
Arne Sorensonは他にも2008年から2013年にかけてウォルマートの社外取り締まりを務め、また2017年からはマイクロソフトの社外取締役を務めています。
なお彼は2019年には「今年最高のCEO」に選ばれました。
コロナ禍の影響がかなり気になりますが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
形自体は安定していますね。
過去分析したヒルトンは年によってかなり業績に波がありましたが、マリオットは安定です。
四半期データ
気になるコロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
まぁそうですよねぇという動きを見せています。
コロナ禍の影響は甚大なようです。
ただ、9月はすべての数字が上向いていますので、底をうって回復基調にあるのか、もう一回底をうつのか、12月の決算がとても気になります。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、若干波がありますね。
傾向は上昇とも下落とも評価しにくいです。
営業利益率(%)
営業利益率の推移ですが、ヒルトンより若干水準が低めです。
ヒルトンのように比較的ハイセグメント向けに注力したグループではなく、幅広いセグメント向けのブランドを抱えている影響でしょうか。
水準自体は決して低いわけではありませんので、問題はないかなぁと思います。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらも傾向は特になさそうですね。
なので、上昇企業とも斜陽企業とも評価しがたいです。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
ここ数年は増配を続けていますが、利回りは正直低めです。
配当重視の方にはちょっと残念な数字です。
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。
水準は高くはありませんが、かといって配当軽視という水準でもありませんので、業績が悪くなければ増配は続きそうですが、劇的に利回りが高くなるということも難しいのかなぁという感じです。
ただマリオット・インターナショナルはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackは比較的熱心に行っているようです。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
売上高に連動しているかのような株価の推移です。
10年以上の長い期間で見ると上昇傾向ですから、コロナ禍はセール中と捉えることもできなくもないです。
それにしても、9.11、リーマンショック、コロナ禍と、イベントにはもれなく反応していますね(つまりイベントリスクには弱め)。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
ヒルトンもそうですが、ホテル業界は純負債へっちゃら業界なのでしょうか。
2015年は卒倒しそうな貸借対照表です。
しかしそれ以上に凄いのは、2016年の改善っぷりです。
調べてみたところ、2016年にシェラトンやウェスティンを持つスターウッド・ホテル&リゾートを買収したようです。
あと気になるのが、流動比率(=流動資産÷流動負債)が100%を下回っているところです。
100%を下回ると1年以内に返済する必要がある借金がすぐに工面できる現金より多いという状況で、一般的にはあまりよくない状況です。
電力会社などでは100%を下回ることはよくあるようですが、これは現金の回収が早く(売掛・買掛などがあまりない)、回収した現金を借金の返済に充てられるからです。
ホテルも宿泊代をすぐ回収できますから、あまり気にする必要はなさそうです(が、コロナ禍でお客さんが来なくなり、現金が作れないという状況だとやばいです)。
自己資本比率(%)
自己資本比率の推移ですが、純負債を抱えていた2015年はひとまず無視するとしても、下落傾向で2019年には2%台に突入してしまいました。
長期的な資金繰りが心配です。
利益余剰金
一方で、純資産の内の利益余剰金(ざっくり言うと儲けて貯めたお金)の推移ですが、こちらは上昇傾向です。
なので、財務健全性が全くダメということではないようです。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、かなり高水準です。
これは純資産が少ないのが大きく影響しているため、手放しに喜べるわけではありません。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
毎年営業キャッシュフローを生み出しているのはいいのですが、流動比率が100%を下回っているのを補うほどキャッシュフローを生み出しているか疑問が残ります。
投資にはお金をしっかりかける年もありますので、成長への貪欲さは感じられます。
結論
データから10点満点で利益安定性・財務健全性・株主還元性・成長性の4項目を評価します。
利益安定性については、売上高は安定しており、営業利益率も低くはないものの、四半期データからやはりイベントリスクに対する弱さを見せていますので、少し辛口の4点です。
財務健全性については、唯一利益余剰金は上昇傾向であったものの、流動比率は100%を大きく下回り、自己資本比率も下落傾向なので、長期的にも短期的にも安心感皆無で、辛口の3点です。
株主還元性については、利回りは高くなく、株価も右肩上がりとは評価できません(直近は伸び悩み、そしてコロナ禍のジェットコースター)ので、辛口の3点です。
最後に成長性ですが、成長に対する姿勢が少し見られますが、しばらくはコロナ禍からの回復が急務で、成長はその先のステップかなという気がします。
なので少し辛口の4点です。
今回は辛口でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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