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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはJPモルガン・チェース(JPMorgan Chase & Co , JPM)です。
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Table of Contents
企業概要
JPモルガン・チェースはアメリカの銀行持ち株会社です。
JPモルガンチェースの子会社には預金・ローン・保険業務などを行う商業銀行であるJPモルガン・チェース銀行と投資銀行であるJPモルガンがあります。
JPモルガン・チェースはバンク・オブ・アメリカ、シティ、ウェルズファーゴと共にアメリカの4大銀行の一つに数えられており、自己資本の額ではこれらの中でも最大の銀行です。
歴史
JPモルガン・チェースは複数の銀行が合併してできた銀行です。
その辺り日本のメガバンクとよく似ています。
合併前の銀行で最も古いのはマンハッタンカンパニーという会社が運営していた銀行であり、1955年にこれまたニューヨークにあったチェース・ナショナル銀行と合併し、チェースマンハッタン銀行となります。
その後チェース・マンハッタン銀行はケミカル・バンクという銀行に買収されました。
ケミカル・バンクは化学メーカーが作った銀行で、この化学メーカー自体は倒産したのですが、銀行だけ残ったようです。
この買収の際には名前がより通っているチェース・マンハッタンの方を残しました。
もう一方の名前が残っているJPモルガンの方ですが、アメリカ5大財閥の一つであるモルガン家のJ.P.モルガンが作ったJPモルガン&カンパニーを創設し、国債の仲介などの投資業で勢力を拡大しました。
アメリカ5大財閥とはロックフェラー・モルガン・デュポン・カーネギー・メロンのことを指すそうで、メロン家は少し前に分析したバンク・オブ・ニューヨーク・メロンに関わっています。
2000年にJPモルガン&カンパニーとチェース・マンハッタン銀行が合併し、JPモルガン・チェースが誕生しました。
その後も銀行の買収を続け、巨大な銀行へと成長しました。
CEO
CEOのJamie Dimonはハーバード・ビジネススクールを卒業後、アメリカンエキスプレスに入社しますが、2000年に後のシティの創設者であるSanford Weillが同社を退社した後、後を追いました。
そして、Weillのシティ創設にも一役買い、シティを去った後はバンク・ワンという当時全米5位の銀行のCEOに就任します。
このバンク・ワンは2004年にJPモルガン・チェースに買収されますが、買収後にはDimonはJPモルガン・チェースのCOOに就任します。
そして翌年の2005年にはCEOに就任しました。
彼はまた2007年からニューヨークFRBの取締役も務めています。
2006年、2008年、2009年、2011年にはタイム誌の「世界で最も影響のある100人」に選ばれています。
まさに生粋のバンカーという感じでしょうか。
こんなJPモルガン・チェースですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
まず収入については利息とそれ以外が半分ずつという状況です。
前に分析したファースト・リパブリック・バンクはほぼ利息収入で、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンはほぼ利息外収入だったので、その間というとことでしょうか。
銀行と言っても色々な形があるようです。
毎年しっかり利益は出していますし、全く問題なさそうです。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、緩やかに上昇傾向が続いています。
それにしても売上高の桁数が今までとは違いますね。
利益率(%)
次に利益率の推移を見てみると、こちらも高水準で安定していることが伺えます。
ファースト・リパブリック・バンクほどの高水準ではありませんが、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンよりは若干高い水準ですので、利益率の高さも評価できそうです。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらは右肩上がりが続いています。
投資家としては好感を持てる推移だと思います。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
利回りはそこそこという感じですが、ここ数年は増配が続いています。
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。
配当に力を入れているなぁと思うのはおおよそ40%を超えたあたりからですから、まぁあ普通の水準という感じでしょうか。
配当に力を入れているということではなさそうです。
ただJPモルガン・チェースはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackを含むと高水準になりますね。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
長い間上昇傾向が続いていますがコロナ禍の影響で値を少し下げてしまいました。
ただ、ここ最近は回復しつつあるようです。
割安性を表すPER(低ければ割安、アメリカ平均は20倍台)は2020年11月現在は10倍台ですので、これだけの上昇を見せていても、若干割安と評価できそうです。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
顧客から預かったお金はすべてローンに回すという伝統的な銀経業務だけではなく、有価証券に使ったり、他の投資資産に使ったりと、多角化しているようですね。
このあたりの流れは日本のメガバンクとも似ています。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンと比較すると、ローンの割合がJPモルガン・チェースの方が大きいですね。
伝統的な銀行業務もほどほどには行っている模様です。
自己資本比率(%)
自己資本比率は減少傾向です。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンと同じような水準なので、アメリカの銀行の自己資本比率はこんなものなのでしょうか。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、アメリカ平均に比べると低いですが、これまたバンク・オブ・ニューヨーク・メロンと同じような水準ですから、こちらもこんなものなのでしょう。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
2017年は営業キャッシュフローがマイナスでしたが、銀行の営業キャッシュフローは預金の出し入れやローンの貸し戻しの動きも含まれるので、必ずしも本業で儲けが出ていないということにはならないようです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 6 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 7 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 5 / 10 点 |
今回は高評価でした。
利益安定性については、売上高は安定していますし、営業利益率もいい水準ですので、高評価の7点を付けました。
財務健全性については、若干自己資本比率が低いですが、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンと比しても遜色ありませんし、同点の6点です。
株主還元性については、配当利回りはぼちぼちですが、株価の推移もいい感じで、PERも低めですので、今後に期待ができますので7点を付けました。
最後に成長性ですが、巨大銀行なので激しい成長は期待できませんが、安定もしていますので、中立の5点です。
今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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