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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはインガーソル・ランド(Ingersoll Rand, IR)です。
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Table of Contents
企業概要
インガーソル・ランドはコンプレッサー・バキューム・ポンプ等、空気圧縮系の製品から、インパクトドリル・電動カッターなどの電動工具、さらにゴルフカートまで、様々な製品を製造するメーカーです。
色々な製品を製造しているようですが、主力は空気圧縮系の製品です。
空気圧縮系の製品と言っても多岐にわたっています。
たとえば、工場で使用されるような空気で細かいごみを吹き飛ばすようなエアー製品や空気圧により作動する工具、飲料メーカーで用いられるような圧縮殺菌装置、真空装置、航空機の与圧装置、井戸や石油・ガスなどの掘削用ポンプ、さらに実験室で使われるような圧縮・真空装置など、様々な製品を製造しています。
インガーソル・ランドはもともとは「ガードナーデンバー」という会社でした。
ガードナーデンバーは1859年にガードナーさんにより蒸気エンジンの制御装置を製造する会社として誕生しました。
1859年と言えば、日本では安政の大獄の嵐が吹き荒れていた時代であり、アメリカでは南北戦争が起こる直前という時代です。
かなりの老舗企業ですね。
その後買収をしたりされたりを繰り返し、現在はアイルランドの企業であるTrane Technologies(旧インガーソル・ランド)と合併し、社名も現在のインガーソル・ランドになりました。
そんなインガーソル・ランドですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
2016年までは純損失を出していました。
のれん償却とリストラと再編費用で営業外費用が膨らみこのような状況になったようです。
2017年からは徐々に回復し、純利益を出せるようになってきました。
コロナ禍影響を見るために四半期決算のデータも見てみましょう。
売上・粗利は伸びているんですが、営業利益と純利益が落っこちてますね。
こんなこともあるんですね。
営業費用で無形固定資産の償却・営業外でリストラ費用がかさんでいるようです。
なんとなくコロナは関係なさそうな感じがします。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、上がったり下がったりですね。
とりあえず2016年の底に比べたら回復基調ですし、2019年に若干下がったものの、先ほど4半期のデータを見たときに売り上げは爆増していますので、また上向く可能性は十分考えられます。
営業利益率(%)
営業利益率ですが、2017年までは若干低めでしたが、2018年で急上昇しています。
リストラや売却等の影響が出てきたのでしょうか。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、2017年以降は改善されていますが、四半期のデータがあまり良くなかったので、2020年も厳しいかもしれません。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)ですがインガーソル・ランドは無配銘柄です。
ただインガーソル・ランドはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
雀の涙ですね。
Amazonのように無配でも投資にしっかりお金を使うことで企業価値を高め、株価の上昇として株主に還元するという手法もあります。
っということで株価で株主に還元しているのかチェックしてみましょう。
株価
再上場を果たした2017年以降の株価は上がったり下がったりですね。
これで無配だと投資家的にはちょっとなぁというのが正直なところです。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
2017年にIPOを果たしていますから、純資産はたっぷりになっています。
そして、同時に固定負債も減らしていますから、ダイエットも順調に行っているという状況でしょうか。
また、以前から流動負債に対して流動資産がたっぷりありましたから、損益計算書と比べるとまだいいのかなぁという印象ですね。
自己資本比率(%)
自己資本自立は先ほど言及した通り、IPOにより増やしていますし、IPO後も順調に上昇しているような気がします。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、2015年は目を当てられない状況でしたが、2017年以降は何とか評価できる水準になってきました。
ただし、2017年以降もちょっと動きが激しいような気もしますので、ちょっと評価しづらいですね、、、
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
2017年以降営業キャッシュフローのプラスが上昇し、本業の方はまずまずなのかなぁという印象です。
投資キャッシュフローは若干抑え気味ですが、それでも毎年投資にお金を使っていますね。
キャッシュフロー的にはそこまで問題はなさそうです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 3 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 6 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 1 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 4 / 10 点 |
今回はかなり辛口でした。
利益安定性については、2016年までは純損失を出しており、今年も利益を減らしていますので、ちょっと評価できませんので3点を付けました。
財務健全性については、IPOにより自己資本比率を向上させていますし、流動負債に対して流動資産がたっぷりあり、キャッシュフローも問題なさそうでしたので、こちらは若干高めの6点です。
株主還元性については、無配でBuybackも雀の涙、株価もイケてませんので、全く評価できず、1点でした。
最後に成長性ですが、四半期データで売上高が伸びていますので、もしかしたらもしかするかもしれません。
しかしながら、利益はなぜか落ちていますから、依然予断を許さない状況かなぁと思いますので、辛めの4点です。
今回は激辛でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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