スポンサーサイト
こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはゼネラルモーターズ(General Motors, GM)です。
スポンサーサイト
Table of Contents
企業概要
GMはアメリカの自動車メーカーです。
GMは自動車ビッグ3に数えられ(他はクライスラーとフォード)、1950年代には世界最大の企業でした。
主力車種はシボレー・GMC・キャデラックが挙げられ、いわゆる大型・ハイパワーのアメ車を製造しています。
GMは2009年に経営破綻し、本社のあるデトロイトは一時ゴーストタウンと化しました。
2017年にトランプが大統領となり、GMなどアメリカ国内製造業は復権を目指しています。
歴史は古く、1900年には馬車のメーカーとして芽を出し、1908年には今の体制が出来上がりました。
その後、航空機・列車・トラック・建設機械など様々な製品にチャレンジしながら技術力を磨いていきました。
2008年にトヨタに抜かれるまで77年間自動車の販売台数世界一でした。
CEOのMary Barraは18歳で工場作業員としてGMに勤務し始め、その後エンジニアリング関連の要職を経て2014年からCEOとなった生え抜きの人物です。
そんなGMですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
原価がとても高いですね。
それでも何とか毎年利益を出し続けています。
それにしても売上高の桁が今まで分析した企業とは違いますね。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
コロナ禍前から黄色信号が点灯し始め、コロナ禍で真っ赤になってしまっています。
やはりコロナ禍の影響を受けているようです。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、横ばいから若干減少傾向という感じでしょうか。
今年はコロナ禍でより厳しいでしょうし、大統領選挙の結果次第では環境配慮へのシフトが迫られる可能性もありますので、なかなか厳しい状況が続くかもしれません。
営業利益率(%)
営業利益率ですが、トヨタの営業利益率がおよそ8%ですから、それに比べるとちょっと寂しい数字になります。
ただし、同じ自動車の日産は2018年、2019年共にGMを大きく下回る水準でしたから、GMが極端に低い水準というわけではなさそうです。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、2017年に廃止事業による損失を含めた純利益が赤字になってしまったのでこのようなグラフになっています。
トランプ政権でここ数年は追い風になっていたはずなんですが、EPSを見てもなかなか伸びというものは感じられませんね。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
配当は2016年以降は増減なしで、利回りもほぼ水平飛行で高水準です。
配当さえ安定してもらえればいいという投資家にとってはいい投資対象かもしれません。
配当性向も少し見てみましょう。
なかなか無理して配当を出し続けていることが分かります。
配当に対する並々ならぬ姿勢は垣間見えますが、ちょっと不安ではありますね。
またGMはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackを含めるとかなりの高利回りであることが分かります。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから(そもそもEPSは上がっていませんし)、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
横ばい傾向ですね。
コロナ禍で株価が一時大きく下がりましたが、ひとまずコロナ以前の水準まで戻しつつあります。
株価の上昇は求めていなくて、配当だけきっちりほしいという投資家にはもしかしたら今が買い時なのかもしれません。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
純資産も多いとは言えませんが安定していて、流動比率(=流動資産÷流動負債)も100%を安定して上回っていますので、貸借対照表はよくはありませんが悪くもないという感じでしょうか。
ちなみに流動資産に入る在庫についても、上のグラフのように減少傾向ですので、作るだけ作って在庫を抱えて売れなくなってきているということもなさそうです。
自己資本比率(%)
自己資本比率はそこまで高くはありませんが、安定飛行を続けているという感じですね。
上のグラフは利益余剰金の推移ですが、2017年に減らしてしまいましたが、その後順調に戻していますので、財務状況はよくなってきていることが分かります。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、2017年に赤字になっていましたのでこの年だけガクッと落ちていますが、それ以外を見てみるとおおむね15%~25%といったところでしょうか。
アメリカの平均的なROEが15%から20%と言われていますから、GMも悪くない水準であることが分かります。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
営業キャッシュフローはしっかりプラスで推移していますし、比較的安定していると思います。
2018年までは投資にかなりお金を使っていたようですが、2019年はだいぶセーブし、イケイケ状態はひと段落という感じでしょうか。
現金の流れはあまり問題はなさそうです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 4 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 5 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 4 / 10 点 |
今回も評価が難しかったです。
利益安定性については、売上高は安定飛行を続けていましたが、営業利益率は可もなく不可もなくで、コロナ禍直前から少し落ち込みを見せ始め、コロナ禍でダメージを受けた様子ですので、辛めの4点です。
財務健全性については、流動比率は100%を上回っていますが決して高いわけではなく、自己資本比率も高くありませんが、利益余剰金は安定していましたので、中立の5点を付けました。
株主還元性については、株価は水平飛行を続けていますが、高配当を並々ならぬ姿勢で出し続けていますので、ちょっと高評価の6点を付けました。
最後に成長性ですが、コロナ禍の影響を受けていることと、大統領選挙の結果次第では向かい風になる可能性もありますので、辛口の4点を付けました。
今回は若干辛口でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
スポンサーサイト