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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはCVSヘルス(CVS Health Corporation, CVS)です。
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Table of Contents
企業概要
CVSヘルスは全米最大のドラッグストアチェーンであるCVSファーマシーを運営する会社です。
CVSファーマシーはいわゆる薬局というよりスーパー的な要素もある”ドラッグストア”です(日本もドラッグストアと言えばそんなイメージですよね)。
CSVファーマシーは全米に9000店以上を展開しています。
ちなみに日本の大手ドラッグストアの店舗数は多くても1500~2000店ほどですので、CVSの規模がいかに大きいかが分かります。
1960年代から小売店と薬局として事業を開始し、企業買収を繰り返すことで規模を大きくしてきました。
ちなみに、シャンプーの詰め替えを始めたのがこのCVSだそうで、1970年代からあったそうです。
ドラッグストアなので、コロナ禍は逆に追い風になっているかもしれませんね。
早速データを見てみましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
2018年に純損失を出していますね。
この年は営業外損失を少し出していますので、それが影響しているようです。
この営業外損失は医療保険会社大手のエトナを買収したことによるのれん償却のようです。
ですので、まぁあまり気にする必要はないかなぁとも思います。
売上高推移(ドル)
売上高は2019年に少し大きな伸びを見せています。
また、おしなべて上昇傾向ですので、そこは評価できます。
営業利益率(%)
今まで見てきた営業利益率に比べてかなり低い水準です。
これは小売業なので仕方ありませんし、正直5%超えたらそこそこいいのではないかなぁと思います。
実際、日本では大規模小売だと1%程度のところもあります。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、2018年で一度落ちています(理由は先ほど示した通りのれん償却です)が、そこまで気にする必要はないかなぁと思います。
EPSが伸びているわけでもないので、よく成長しているとはなかなか言い難いですが、安定はしそうだなぁという印象です。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
まず、ここ数年は減配していないようなので、まぁ頑張っているのかなぁという印象ですし、純損失を出した2018年でもしっかり配当を出しているのは評価に値すると思います。
またCVSはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
配当を減らすことはなかなかしませんが、やはりBuybackはやめやすいんですね。
2018年と2019年はBuybackしていません。
いも次郎がBuybackをいまいち評価できないのはこういう側面があるからです。
さて下のグラフは利益のうちどれぐらい配当にお金を割いているかを表す配当性向(%)す。
低い時でも30%近くありますので、しっかり株主には目が向いているなぁという印象です。
株価の推移も見ておきましょう。
2015年を境に少し停滞しているようです。
コロナ禍で伸びるのかなぁとも思ったんですが、そうでもないようです。
ちょっと意外でした。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
店舗を9000か所以上抱えていますので、固定資産多めです。
気になるのは流動資産と流動負債が肉薄しており、2019年においては流動負債が流動資産を上回っています。
ちょっとこのバランスシートは評価できないかなぁと思います。
自己資本比率(%)
自己資本比率はそこそこの水準を推移していますので、ここだけ見ると財務的には安定しているかなぁと思います。
ROE(%)
自己資本からどれだけの利益を生み出すことができるのか、つまり効率性の指標であるROEですが、2018年を除くと10%を超えていますので、まぁそこそこ効率よく利益を生み出しているのかなぁという感じでしょうか。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
営業キャッシュフローはしっかり出しているなぁという印象です。
ですので、本業は問題なさそうに見えます。
2015年と2018年に投資キャッシュフローがすさまじい額になっていますが、この年企業を買収していますので、そのためかなぁと思います。
なので、拡大していく姿勢はうかがい知れます。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 5 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 3 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 5 / 10 点 |
今回は若干厳しめに採点しました。
利益安定性は売上高が上向いていること、ROEもそこそこあるので、そこは評価できるのですが、企業買収の影響とはいえ純損失もありましたし、小売りにしては営業利益率は高いのですが、今後もちょっと営業外損失が膨らむとすぐに赤字に転落する可能性もありますから、中立の5点を付けました。
財務健全性は、自己資本比率はそこそこあるので、そこはいいのですが、流動資産と流動負債の関係がどうしても気になるので、辛めの3点を付けました。
株主還元性は、Buybackをすぐやめがちなところも見られましたが、配当でもそこそこ還元はしていると思いますので、ちょっとだけ高評価の6点を付けました。
最後に成長性ですが、売上高は上向いていますが、店舗小売りという成熟しきった分野ですし、eコマース勢に押されがちな傾向は続くでしょうから、中立の5点です。
今回は辛めでしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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