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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはアレクシオン・ファーマ(Alexion Pharmaceuticals, Inc., ALXN)です。
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Table of Contents
企業概要
アレクシオン・ファーマはアメリカの製薬会社です。
アレクシオン・ファーマは1万人に1人もしくはそれ以下の希少疾患に特化した治療薬の研究・開発を行っています。
主力製品は「ソリリス」という薬で、例えば発作性夜間ヘモグロビン尿症(100万人に数人)・非典型溶血性尿毒症症候群(100万人に数人)といった、聞いたこともないような、しかしながら致死性の病気の治療薬だそうです。
つまり製薬業界の中でもニッチな市場で活躍する企業ということですね。
このような市場に巨大製薬会社が参入しようとしても市場規模が小さいので、大きな利益をあげられませんし、競争が起こればさらに利益が小さくなりますので、参入するメリットがありません。
なので、アレクシオン・ファーマのようなニッチ市場の既存企業は競争が少なく、安定的な利益があげられることが期待できるわけです。
要するにブルーオーシャン戦略の典型例ですね。
同じような企業で過去分析したVRTXが挙げられます。
創立は1992年で2007年にFDAからソリリスの承認を受けたようです。
また、アレクシオン・ファーマは現在まで多くの企業を買収しながら成長してきました。
CEOのLudwig Norbert Michel Hantsonはノバルティスやバクスターといった製薬会社の上級職・CEOを歴任し、2017年からアレクシオンのCEOに就任しています。
そんなアレクシオン・ファーマですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
毎年純利益を生み出していますが、2019年に純利益が急激に伸びています。
原価は低めですね。
この辺りはVRTXとよく似ています。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
2019年12月のデータは税金の調整があったため純利益が一時的にアップしており、2020年6月には減損処理を行った影響で純利益が一時的に落ち込んでいますが、売上高・粗利・営業利益は順調に伸びています。
コロナ禍はほとんど影響なさそうです。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、こちらはかなり順調に伸びています。
今後の推移にも注目ですね。
営業利益率(%)
営業利益率については、もともと高水準なのですが、ここ数年でさらに上昇しています。
VRTXと比較してもかなりの高水準です。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益をEPSですが、2019年の伸びがすごいですね。
一発屋かどうか、今年の決算が楽しみです。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)ですが、アレクシオン・ファーマは無配銘柄です。
ただアレクシオン・ファーマはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackは若干やっているという程度でしょうか。
Buybackはやめるハードルが低いので、いも次郎的にはあんまり評価できませんね。
また、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
ここ数年は微妙な動きですね。
そして無配、、、投資家への還元はイケてませんね。
ちなみにPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍台)は28.72倍ですので、割安というわけでもなさそうです。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
流動比率(=流動資産÷流動負債)は毎年300%以上ありますし、2019年に至っては500%近くありますので、短期的には全く問題なさそうですし、純資産もたっぷりありますので、長期的にも問題なさそうです。
自己資本比率(%)
自己資本比率の推移ですが、高水準で安定しており、安心感がかなりあります。
利益余剰金
純資産の内、利益余剰金の推移は上の通りです。
利益から順調にお金を貯めていることが分かります。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、2019年に飛躍しています。
っというよりも、もともと日本並みに低かったので、ようやくアメリカ水準(平均16%)でも少し高めになったという感じですね。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
毎年しっかり営業キャッシュフローを生み出していますし、2020年は飛躍しています。
ここ2年間は投資は控えめだったようですが、それ以前はしっかり投資していました。
キャッシュフロー的にも問題なさそうです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 8 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 3 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
今回は還元性を除けば高評価でした。
利益安定性については、2019年以前は純利益少なめでしたが、2019年に一気に飛躍しましたし、売上高は右肩上がり、営業利益率も高水準ですので、そこそこ高評価の7点です。
一発屋ではないことを証明できればもっと評価が高くなってもいいと思います。
財務健全性については、流動比率も自己資本比率もかなり高く、短期的にも長期的にも非常に安心感がありますので、高評価の8点です。
株主還元性については、株価はここ数年は水平飛行で上昇の兆しが見えず、無配ですし、PERも低くないので辛口の3点です。
最後に成長性ですが、売上高が順調に伸びていますし、買収活動も盛んで、投資にもそこそこお金を使っていたのでまだまだ伸びそうです。
希少な難病の治療薬開発というブルーオーシャンで今後も劇的にとはいかないでしょうが順調に成長しそうですので、少し高評価の6点です。
今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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