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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはSLグリーン・リアルティ(SL Green Realty Corp, SLG)です。
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Table of Contents
企業概要
SLグリーン・リアルティはニューヨークでオフィスビルやショッピングセンターなどを扱う不動産会社です。
この会社はニューヨークのマンハッタン島で多数のビルを所有しています。
ニューヨーク以外では調べた限りでは物件を所有していないみたいです。
同社は1980年にStephen L.Greenさんによって設立されました。
会社名は創業者の名前からとっているんですね。
代表的な物件としてはタイムズスクエアにある54階建てで高さ約227mの高層ビルであるOne Astor Plazaや、マンハッタンのミッドタウンに2020年にオープンした高さ427m(ニューヨークで4番目に高い)のビルであるOne Vanderbiltがあります。
コロナ禍でテレワークが進んでいる中で、オフィスや店舗向けの不動産業界に逆風が吹き荒れていますが、データを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
まず毎年純利益を出しているのは評価できますね。
2017年に若干純利益が減っていますが、この年は売上減が響いているような感じです。
損益計算書的にはおかしなところもなく、安定して利益をあげているかなぁと思います。
SLグリーン・リアルティはコロナ禍の影響をかなり受けそうですので、一応四半期決算のデータも載せておきます。
2020年のQ2で明らかに数字が落ちていますが、それでも赤字にはなっておらず、頑張って持ちこたえています。
売上高推移(ドル)
売上高は減少傾向かなぁという感じでしょうか。
コロナ禍の影響で今年もちょっと厳しそうですから、減少傾向は今後も続きそうです。
営業利益率(%)
営業利益率はすこし増減が激しい気がしますが、低い時でも14%を超えていますので、かなり優秀なのではないでしょうか。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、2017年がガクンと下がっていますが、この例外を除けばまぁおおむねは2~3というところをウロウロしています。
この2年は若干の上昇傾向が見られましたので、今後に期待と言いたいところなのですが、コロナ禍の影響がありますので、期待は持てませんね。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
毎年増配傾向で、配当利回りもなかなかの高水準ではないでしょうか。
これは高配当株の気配がします。
さらにSLグリーン・リアルティはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
2017年以降からBuybackをしているようです。
Buybackを含めるとすさまじい利回りです。
ただし、Buybackがあるからと言って株価が順調に上昇しているとは限りません。
そこで株価の推移を見てみると次の通りです。
ここ数年はじりじり下げて、コロナ瀑布に捕まったようです。
まぁ不動産投資会社ですので、コロナ禍直撃で投資家からは敬遠されるでしょうから、回復傾向も見られません。
ただし、四半期決算のデータで、何とか踏ん張っている印象もありましたので、もしかしたら現在の株価は割安であるとも評価できるかもしれません。
ちなみに、今まであまり言及していませんでしたが割安割高の指標であるPERは17程度ですので、結構割安かなぁとは思います。
下のグラフは利益のうちどれぐらい配当にお金を割いているかを表す配当性向(%)です。
100%を超える年が多いですね。
かなり気合入れて株主に還元していますね。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
まぁ、想像通りの貸借対照表ですね。
不動産投資会社なので当然固定資産が多めです。
しかし、流動負債に対して流動資産もたんまりありますし、何より純資産が潤沢にありますので、安心ですね。
自己資本比率(%)
自己資本比率はかなり高めで安定した推移を見せています。
財務的にはいも次郎でもぐっすり眠れそうです。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、こちらは低めですね。
自己資本比率が高いのでこのような結果になったのかもしれませんが、それにしても低いかなぁという印象です。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
まず毎年営業キャッシュフローがプラスなのは評価できます。
不動産投資会社なので売ったり買ったり繰り返しているでしょうから、どうしても投資キャッシュフローの動きは大きくなります。
まぁ不動産投資会社として変なお金の動きはここからは見られませんので、ひとまずは安心かなぁと思います。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 5 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 6 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 7 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 4 / 10 点 |
今回はそこそこかなぁという感じです。
まず利益安定性ですが、売上高が落ちてきていること、EPSに波があることが気になりますが、依然として営業利益率は高水準を維持しているので、中立の5点を付けました。
財務健全性ですが、自己資本比率が高いのと流動資産と流動負債の関係も悪くありませんので、こちらはやや高評価の6点です。
株主還元性ですが、こちらは高配当株と言えそうですが、株価の推移が若干イケていなかったので、それでも高評価の7点です。
最後に成長性ですが、正直コロナ禍の影響がどれぐらいで続けるのかわからないので何とも言えませんが、少なくとも数年は逆境が続くと思いますので、4点を付けました。
今回はまずまずの評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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