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こんにちは。
いも次郎です
娘のいも子でしゅ
今回紹介するのはアメリカン・エアラインズ(American Airlines Group Inc., AAL)です。
収益性 (ストレスフリー度) | 9 / 20 点 |
安全性 (ストレスフリー度) | 2 / 20 点 |
効率性 (ストレスフリー&わくわく度) | 10 / 20 点 |
成長性 (わくわく度) | 4 / 20 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 8 / 20 点 |
こんな人におすすめ!
- アフターコロナ銘柄を探している人
- Mな投資家
- 博打・冒険をしたい人
こんな人におすすめしません!
- 長期投資家
- 堅実な銘柄に投資したい人
- 航空会社に投資したい人(他の航空銘柄をおすすめします)
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Table of Contents
企業概要
アメリカン・エアラインズはアメリカの航空会社です。
ユナイテッド・エアラインズでも説明した通り、航空会社はサービスの質でFSC(フルサービスキャリア)とLCC(ローコストキャリア)の2つに分けられ、アメリカン・エアラインズはFSCです。
アメリカン・エアラインズも他のFSCと同様にアメリカ国内に10カ所の巨大空港拠点(ハブ空港)を持ちます。
なお、アメリカン航・エアラインズ最大拠点はテキサス州のダラス・フォートワース空港です。
これらのハブ空港から世界50カ国に350近くの空港に就航しており、コロナ禍前までは一日の便数6,500便以上運航していました。
またアメリカンエアラインズは、これまた他の航空会社と同様に、近距離路線(コミューター路線)を担当する子会社を複数所有しています。
今まで分析してきた2社と規模は同じぐらいですね。
となると、どのような経営形態かをじっくり見る必要があるわね。
またユナイテッド・デルタでも説明しましたが、下記のような3つの大きな航空アライアンスが存在します。
- スターアライアンス(26社)
ユナイテッド・ルフトハンザ・エアカナダ・タイ航空・ANA・シンガポール航空・中国国際航空など - スカイチーム(19社)
デルタ・エールフランス・KLM・中国東方航空など - ワンワールド(14社)
アメリカン・ブリティッシュ・キャセイ・JAL・カタール航空など
アメリカン・エアラインズが所属しているワンワールドは、加盟社数は他のアライアンスに及ばないものの、ブリティッシュ・エアウェイズやJALなどそうそうたるメンバーが所属しています。
保有している機材は以下の通りです。
機材 | 座席 | 機体数 |
A319/A320/A321 | 102~196 | 430 |
B737-800 | 160~172 | 282 |
B737MAX | 172 | 41 |
B777-200ER/300ER | 273~304 | 67 |
B787-8/9 | 234~285 | 55 |
主力は座席数が100~200のナローボディ機で、この種類の保有率は他の2社を上回っています。
大型機はたくさんの人を運べますが、コロナ禍などの需要減少時は大量の空席を生むため、お荷物となります。
一方でナローボディ機は需要が落ちても大型機よりは空席を生まないので、リスクには強いと言われています。
っということは、リスクには強そうだから、アフターコロナでは期待できそうね。
そんなアメリカン・エアラインズですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
収益性・安全性・効率性・成長性・株主還元性の5つを指標を用いて評価していきます。
さて、まずは収益性から見ていきましょう。
収益性
売上高推移
2013年にUSエアウェイズと合併したため、売上規模は2014年に急上昇し、その後はおおむね横ばい傾向が続いていました。
コロナ禍で売上が激減しましたが、下落率はデルタと同じぐらいのようです。
安定感はそこそこあったようです。
コロナ禍耐性もおおむね他の航空会社と大差ないわね。
売上高だけだと、3社で優劣はあまりないようね。
粗利率・営業利益率
粗利率はデルタと同水準で、営業利益率はユナイテッド・エアラインズと同水準で推移しています。
近年はユナイテッド・エアラインズより低い水準だったようなので、ちょっと物足りなさを感じますね。
ユナイテッド・エアラインズのように売上高が伸びていたわけでもないから、ちょっとイケてないわね。
EPS推移
一株当たりの純利益を表すEPSの推移ですが、合併前はマイナスが続き、合併後はプラスに転じましたが、その後横ばい傾向が続いていました。
合併後はある程度安定感があったようですね。
コロナ禍では他の航空会社と同様で、大ダメージを受けているわね。
まぁこれは仕方ないわね。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
コロナ禍で落ち込んだ売上高は徐々に取り戻していますが、純利益がデルタほどの回復を見せていません。
コロナ禍耐性はデルタには及ばないようです。
営業利益率の低さが響いているのかしらね。
営業キャッシュフロー推移
営業活動によるお金の出入りを示す営業キャッシュフローの推移ですが、コロナ禍発生前は安定して営業キャッシュフローを生み出していたようです。
ただ、他の2社がコロナ禍前は上昇傾向だったのに対し、アメリカン・エアラインズはやや下落傾向です。
さらに、コロナ禍によるマイナスはデルタと比較するとかなり大きくなっています。
営業キャッシュフローの推移からもデルタには少し及ばないようです。
あえてアメリカン・エアラインズに投資する理由は今のところ見つからないわね。
採点
安定感はあるものの、デルタと比較すると利益率・EPSの推移は劣るように見え、さらに、ユナイテッド・エアラインズと比較してもイケイケな感じではありませんので、なんとなく精彩を欠くように見えます。
よって、少し辛口の9点です。
財務安全性
次に財務安全性を評価していきます。
流動比率
流動資産÷流動負債で求められ、短期的な安全性指標である流動比率ですが、高ければ高いほど安全性が高いと評価され、一般的に100%を下回っていれば問題ありと評価されます。
なお航空業界の流動比率の平均は70%前後と全体的に低い傾向にあります。
アメリカン・エアラインズは近年水準を落とし、航空業界の平均を下回る状況が続いていました。
また、2020年は公的資金が注入されたにも関わらず67%と低い水準のままです。
デルタのような回復は見せず、依然苦しい状況が続いているようです。
ただ、苦しくなってもまた公的資金が注入される公算が高いから、絶体絶命という感じではないわね。
当座比率
流動資産の中でもより現金化しやすい当座資産を流動負債で割った当座比率ですが、こちらも短期的な安全性を示し、高ければ高いほどよく、一般的に70%以下であれば問題ありと評価されます。
また、当座比率も航空業界は低めの傾向にあり、平均が60%前後とされています。
こちらも流動比率と同様に下落傾向で、水準自体もかなり低い状況です。
デルタと比較すると、コロナ禍前はアメリカン・エアラインズの方が高かったようですが、コロナ禍で公的資金が注入された後は逆転し、苦しい状況が続いていますね。
そもそも、コロナ禍以前の下落傾向からしてイケてないわね。
固定比率
固定資産を自己資本で割った固定比率ですが、こちらは長期的な安定性の評価に用いられ、低ければ低いほどよく、100%下回れば安全と評価されます。
プラスの時は他の航空会社より水準が高く、また、マイナスになる年もちらほら見られます。
これは、後で触れますが、自己資本比率がマイナス、つまり債務超過状態に陥っていた為です。
安全性は結構残念な感じになってきました。
コロナ禍でただでさえ安全性が危ぶまれている中で、この状況は正直きついわね。
自己資本比率
こちらも長期安全性を評価する自己資本比率で、少なくとも30%以上は欲しく、70%以上あれば十分安全であると評価できます。
コロナ禍発生以前から債務超過の年がちらほら見られ、よくても11%とかなりの低空不安定飛行を見せています。
安全性は正直激寒ですね。
この状況であえてアメリカン・エアラインズに投資するのはかなりMね。
フリーキャッシュフロー推移
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計から算出され、資金繰りから安全性を評価するフリーキャッシュフローの推移です。
マイナスの年が多く、お金が出ていく一方のようです。
流動比率が低く、さらに債務超過状態なのにフリーキャッシュフローもマイナスばかりとは、もはや瀕死の病人ですね。
基礎疾患を抱えているアメリカン・エアラインズにとって、コロナ禍がとどめになりかねないわね。
採点
すべての指標がボロボロで全く評価できず、超辛口の2点です。
効率性
次に効率性を見ていきます。
ROE
自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示すROEですが、アメリカ平均は16%前後だと言われおり、航空業界はやや高めの30%前後が平均のようです。
アメリカン・エアラインズは債務超過に陥っている年や純利益が赤字の年が多く、評価できる年が限られていますが、限られたデータを見る限りは業界平均を上回っています。
自己資本比率がかなり低い状況ですので、上回って当然ですね。
正直ROEからアメリカン・エアラインズを評価するのは難しいわね。
総資本回転率
売上高を総資産で割って算出され、総資産からどれだけ効率的に売上を生み出したかを表す総資本回転率ですが、航空業界の平均がおよそ0.8程度のようです。
こちらはデルタよりは高く、ユナイテッド・エアラインズよりは低いという状況のようです。
やっと評価が可能な指標が出てきましたね。
まぁ、ど真ん中だけどね。
採点
ROEは測定不能で、総資本回転率だけ見ると平均ど真ん中というような状況です。
ですので、使える物差しだけで評価すると中立の10点になります。
成長性
次に成長性を見ていきます。
売上高増加率
USエアウェイズとの合併後、緩やかに成長を続けていたようです。
なお、航空業界全体の5年売上成長率は+8%ですので、航空業界全体の成長にはついて行けなかったようです。
航空業界全体が成長する中で、この推移はイマイチですね。
営業利益増加率
営業利益増加率はUSエアウェイズ合併直後は急成長を見せているものの、その後はじり貧状態が続いています。
うーんって感じですね。
うーんって感じね。
EPS増加率
EPSがマイナスの年が多かったため、データ少なめです。
2015年に一時的に急伸していますが、そのあとは増減を繰り返しています。
また、5年EPS成長率の航空業界平均が+40%近くありましたが、これには及んでいない状況です。
売上高も営業利益もイマイチだったんで、当然EPSもイマイチですね。
安全性がなく成長性もイマイチって、何が楽しくてこの銘柄に投資するのかしら。。。
採点
航空業界の成長の流れに全く乗れておらず、こちらも辛口評価の4点です。
株主還元性
続いては株主還元について見ていきましょう。
一株当たりの配当金と配当利回り
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
一株当たりの配当は2015年以降固定でしたが2020年はコロナ禍の影響で減配しています
ただ無配は回避しています。
利回りについては高くはありません。
配当はイマイチでね。
勝負は株価ね!(一応言ってみたわ)
配当性向
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)は、バランスが大事で、高すぎても無理して配当を出しているという評価になり、低すぎても、配当を軽視しているという評価になります。
水準自体はやや低めで、配当は重視していないということを物語っています。
利回りがそんなに高くないので、予想通りの水準ですね。
勝負は株価ね!(もう一度言ってみたわ)
株価
コロナ禍前からじわじわと株価が下がっており、コロナ禍では当然大幅下落しています。
直近はワクチンに対する期待が膨らみ、コロナ禍前の水準まで戻しつつあります。
長くホールドしていたい人には魅力の薄い銘柄に見えますね。
アフターコロナを見越した株価上昇を狙って、短中期で持っておくのはいいかもね。
ただ、それならまだ株価がコロナ禍前の水準に戻っていないユナイテッド・エアラインズの方がいいかもしれないけどね。
PER
2021年1月5日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は25倍台)は、現在赤字の真っ只中なので測定不能です。
ベータ値
株式市場全体との相関関係を示すベータ値ですが、アメリカン・エアラインズは1.91です。
ベータ値は1だと市場全体と同じ動きをし、1以上だと市場が上昇相場では株価を市場平均より大きく上げ、下落相場だと逆に市場平均より下がる傾向にあると評価されます。
0だと市場には関係なく株価が動き、マイナスだと市場全体とは逆の動きを見せるということになります。
アメリカン・エアラインズは市場より激しい値動きを見せるようです。
採点
配当はあまりなく、株価の推移も他の航空会社と比べるとイケてませんので、辛口の8点です。
総評
全体的にイケてない印象で、堅実に投資するのであれば他の航空会社に投資するのが無難だと思います。
アフターコロナを見越した短中期投資であればある程度は利益をあげられるかもしれませんが、長期で投資するのであれば博打冒険株として損を覚悟で投資するべき銘柄ですね。
また値動きが激しいので、超短期トレードにはいいのかもしれません(いも次郎は超短期トレードをやらないので、あまり分かりませんが)。
まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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