【航空】安定感!デルタ・エアラインズ(DAL)

こんにちは。

いも次郎です

娘のいも子でしゅ


今回紹介するのはデルタ・エアラインズ(Delta Air Lines Inc, DAL)です。

収益性
(ストレスフリー度)
13 / 20 点
安全性
(ストレスフリー度)
8 / 20 点
効率性
(ストレスフリー&わくわく度)
10 / 20 点
成長性
(わくわく度)
10 / 20 点
株主還元性
(わくわく度)
11 / 20 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください


こんな人におすすめ!

  • 堅実な銘柄が好きな人
  • アフターコロナ銘柄を探している人
  • 配当重視の人


こんな人におすすめしません!

  • 波が大好きな短期投資家
  • 成長性を求める人
  • コロナ禍耐性高め銘柄を探している人


   Table of Contents

企業概要

デルタ・エアラインズはアメリカの航空会社です。

ユナイテッド・エアラインズでも説明した通り、航空会社はサービスの質でFSC(フルサービスキャリア)とLCC(ローコストキャリア)の2つに分けられ、デルタはFSCです。

デルタは52カ国で300カ所を超える空港に就航しています。


就航先の数ではユナイテッド・エアラインズと同規模のようです。


また他のアメリカのFSCと同様にアメリカ国内に複数のハブ空港を持っており、本社があるアトランタ・ボストン・デトロイト・ロサンゼルス・ミネアポリス・ニューヨーク・ソルトレークシティ・シアトルとアメリカの主要都市をしっかりカバーしています。

そして、これまた他のFSCと同様に国際線と国内幹線はデルタが、ハブと国内地域を結ぶコミューター路線はデルタの子会社であるデルタ・コネクションが担当しています。


また、デルタは航空アライアンスであるスカイチームに属しています。

ユナイテッド・エアラインズでも説明しましたが、下記のような3つの大きな航空アライアンスが存在します。

  • スターアライアンス(26社)
    ユナイテッド・ルフトハンザ・エアカナダ・タイ航空・ANA・シンガポール航空・中国国際航空など
  • スカイチーム(19社)
    デルタ・エールフランス・KLM・中国東方航空など
  • ワンワールド(14社)
    アメリカン・ブリティッシュ・キャセイ・JAL・カタール航空など

デルタが属するスカイチームは2番目に大きなアライアンスを形成しています。

保有している機材は以下の通りです。

機材座席機体数
A220-100/300109~13046
A319/A320/A321132~194220
A330-200/300/900234~29350
A350-90030615
B717-20011045
B737-800/900ER160~180207
B757-200/30072~234111
B767-300ER/400ER226~24655

B777やA380のような400席を超えるような超大型機は保有しておらず、小型・中型機が主力のようです。

また、ユナイテッド・エアラインズのようにボーイング機の比率が特段高いわけではなく、ボーイングとエアバスが同じぐらいの比率になっています。

複数のメーカーから同じ比率で機材を購入することで、調達の際の価格交渉力の向上につながる反面、管理維持コストが高くなるという問題も発生します。


ボーイング機とエアバス機って結構設計コンセプトが違うので、整備やパイロット養成でコストが増えてしまうようです。

ちなみに、私はエアバス派よ。


そんなデルタですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

収益性・安全性・効率性・成長性・株主還元性の5つを指標を用いて評価していきます。

さて、まずは収益性から見ていきましょう。

収益性

売上高推移

コロナ禍前までは安定しており、上昇傾向でもありました。


ユナイテッド・エアラインズも安定していましたが、さらにいい感じでしたね。

絶好調だった時の売上高に戻るのはいつになるのかしらね。


なお、2019年は旅客運送事業の収入が90%を占めており、貨物事業は1%程度でした。

また売上高に占める国際線の割合は33%程度です。

粗利率・営業利益率

粗利率と営業利益率の推移ですが、2015年に急上昇し、その後も安定した推移を見せていました。

なお、航空業界の営業利益率の平均が大体15%あたりですので、平均的な収益性と言えそうです。


水準はまずまずですが、安定感があったようですね。

ユナイテッド・エアラインズよりは営業利益率が高めだから、業績の回復は比較的早いかもね。


EPS推移

一株当たりの純利益を表すEPSの推移ですが、2015年から2019年にかけては以前より高い水準を維持していました。


コロナ禍前までは比較的安定性があったようです。

この安定感があれば、アフターコロナの復活は期待できなくはないわね。


四半期データ

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

ユナイテッド・エアラインズは2019年12月の純利益と比べて、コロナ禍発生後の純利益のマイナスは3倍程度で推移していました。

一方、デルタは2019年12月の純利益と比べると、5倍以上のマイナスが発生しています。

ただ売上高は2020年6月の底から徐々に上昇しており、純利益に至っては2020年12月はマイナスがかなり減っています。


国際線の割合が低くはないので、もうしばらく苦しい状況が続くと思いますが、黒字化が徐々に見えてきました。

ただ、ワクチンが効かない変異株が蔓延するとしばらく地獄が続くかもしれないから当然要注意ね。


営業キャッシュフロー推移

営業活動によるお金の出入りを示す営業キャッシュフローの推移ですが、2019年まではやや波があるものの、上昇傾向が続いていました。


なんとなくですが、ユナイテッド・エアラインズより安定しているように見えますね。

ユナイテッド・エアラインズはちょっと玄人向けだったから、デルタの方がパパ向きかもね。


採点

コロナ禍発生後は散々な数字ですが、それまでは各数字でユナイテッド・エアラインズより安定感があるように見えます。

よって、ユナイテッド・エアラインズより高評価の13点です。


財務安全性

次に財務安全性を評価していきます。

流動比率

流動資産÷流動負債で求められ、短期的な安全性指標である流動比率ですが、高ければ高いほど安全性が高いと評価され、一般的に100%を下回っていれば問題ありと評価されます。

なお航空業界の流動比率の平均は70%前後と全体的に低い傾向にあります。

2020年までは航空業界平均にも及ばず、ユナイテッド・エアラインズと比較してもやや低い水準でした。

2020年は政府からの支援があった影響で流動比率が急上昇しています。


短期安全性はやや難ありだったようですね。

ただ、何かあったときにこうして支援が入るというのは、インフラの強いところと言うこともできるわね。


当座比率

流動資産の中でもより現金化しやすい当座資産を流動負債で割った当座比率ですが、こちらも短期的な安全性を示し、高ければ高いほどよく、一般的に70%以下であれば問題ありと評価されます。

また、当座比率も航空業界は低めの傾向にあり、平均が60%前後とされています。

デルタはこちらも平均に遠く及ばず、さらにユナイテッド・エアラインズと比較しても低い水準です。


こちらは流動比率以上にイケてないですね。

そして、こちらも政府支援により危機はひとまず回避できそうね。


固定比率

 固定資産を自己資本で割った固定比率ですが、こちらは長期的な安定性の評価に用いられ、低ければ低いほどよく、100%下回れば安全と評価されます。

100%には遠く及びませんが、ユナイテッド・エアラインズと比較すると、同程度の水準のようです。


航空業界は飛行機という高額な固定資産をたくさん持っていますから、当然といえば当然ですね。


自己資本比率

こちらも長期安全性を評価する自己資本比率で、少なくとも30%以上は欲しく、70%以上あれば十分安全であると評価できます。

2011年と2012年は債務超過状態でしたが、その後はユナイテッド・エアラインズと同水準のようでした。

コロナ禍発生後はギリギリ債務超過状態は回避できています。


2021年にもし黒字化が達成できなかった場合に、債務超過に陥ることが考えられ、更なる政府支援が必要になるかもしれません。

苦しい状況がうかがえるわね。


フリーキャッシュフロー推移

営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計から算出され、資金繰りから安全性を評価するフリーキャッシュフローの推移です。

コロナ禍前まではずっとプラスで推移していました。


ユナイテッド・エアラインズは積極的に投資にお金を使っていた一方で、デルタはコロナ禍前まではフリーキャッシュフローがマイナスにならないように投資を抑えるという堅実な経営を続けていたようです。

波も少なく、堅実な経営をしていたということで、面白味はないものの安心感はあったみたいね。


採点

短期安全性はユナイテッド・エアラインズに及びませんが、自己資本比率はユナイテッド・エアラインズと同水準で、フリーキャッシュフローはユナイテッド・エアラインズより安定的と言えそうですので、ユナイテッド・エアラインズと同水準の8点です。


効率性

次に効率性を見ていきます。

ROE

自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示すROEですが、アメリカ平均は16%前後だと言われおり、航空業界はやや高めの30%前後が平均のようです。

コロナ禍前まではおおむね航空業界の平均という感じで、ユナイテッド・エアラインズよりはやや良かったようです。


ROEはぼちぼちですね。


総資本回転率

売上高を総資産で割って算出され、総資産からどれだけ効率的に売上を生み出したかを表す総資本回転率ですが、航空業界の平均がおよそ0.8程度のようです。

航空業界の平均にはやや及ばなかったようです。


効率性だけで見ると、航空業界の鑑と言えそうですね。

ド平均まっしぐら!


採点

効率性指標が双方ド平均まっしぐらでしたので、中立の10点です。


成長性

次に成長性を見ていきます。

売上高増加率

売上高成長率については、コロナ禍前までは緩やかなプラスの年が多かったようです。

なお、航空業界全体の5年売上成長率は+8%ですので、航空業界平均以上に成長していたようです。


コロナ禍までは非常に良好だっただけに、アフターコロナでの復活も期待できなくはなさそうです。


営業利益増加率

営業利益率の推移ですが、2015年に急上昇してその後はやや下落傾向でした。


2015年に体質が変わったみたいですね。

2019年に少し上昇したから、この体質変化が永続的なものという感じもするわね。


EPS増加率

EPSの増加率については、2015年に大きく上昇し、その後は横ばい傾向のようです。

また、5年EPS成長率の航空業界平均が+40%近くありましたが、デルタはこの成長には追従できていなかったようです。


EPSの推移はイケイケというより堅実という感じですね。


採点

売上高の成長率は航空業界の成長率を上回っていましたが、EPSの成長はイマイチだったので、中立の10点です。

この時点で成長性を採点するのは何とも切ない気分になります。


株主還元性

続いては株主還元について見ていきましょう。

一株当たりの配当金と配当利回り

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

配当と利回りの推移ですが、コロナ禍までは増配傾向が続き、利回りもまずまずの水準まで上昇していました。

2020年はコロナ禍のダメージを受けた中で減配したものの、無配だけは回避したようです。


配当については今後が期待できる推移だっただけに、コロナ禍は本当に残念でした。

しかし、無配を回避したのは評価できるわね。


配当性向

生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)は、バランスが大事で、高すぎても無理して配当を出しているという評価になり、低すぎても、配当を軽視しているという評価になります。

配当性向は決して高くはありませんが、売上高を上昇させながらここまで配当を出していたのは評価できます。


いも次郎的にはバランスが取れてて高評価でしたね。

業績が回復した後に参考にしたいわね。


株価

株価の推移ですが、2013年から2015年にかけての営業利益率爆上げの間は急上昇していたものの、その後は増減を繰り返しながら緩やかに上昇していたようです。

そして、コロナ禍でかなり株価が下がっていますが、ユナイテッド・エアラインズと比較すると戻りが早いように見えます。

コロナ禍前まではやや面白みに欠ける推移でしたが、コロナ禍からの戻りの速さは堅実さが評価されているのでしょうか。

こういう時だからこそ堅実さが強さを見せるのかしら。


PER

2021年1月5日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は25倍台)は、現在赤字の真っ只中なので測定不能です。


ベータ値

株式市場全体との相関関係を示すベータ値ですが、デルタは1.52です。

ベータ値は1だと市場全体と同じ動きをし、1以上だと市場が上昇相場では株価を市場平均より大きく上げ、下落相場だと逆に市場平均より下がる傾向にあると評価されます。

0だと市場には関係なく株価が動き、マイナスだと市場全体とは逆の動きを見せるということになります。

デルタは市場より大きな動きをする傾向があるようですが、ユナイテッド・エアラインズと比較するとややマイルドのようです。


採点

コロナ禍前までは配当のバランスがよく、株価も面白味はあまりないものの、堅実さが株価にも表れており、悪くはありませんでした。

また、コロナ禍からの回復も比較的早く、今後も回復が期待できるかなという感じです。

よって少なくともユナイテッド・エアラインズよりは安心感があるかなぁと思います。

よってやや高評価の11点です。


総評

ユナイテッド・エアラインズとの比較がメインになりましたが、デルタは安定感があり、コロナ禍のような不安定時期にはデルタの方がいいと言えそうです。

ただ、コロナ禍からの回復による大きなキャピタルゲインを得たいのであれば、回復が遅いユナイテッド・エアラインズの方がいいかもしれませんね。


ただ、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!


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