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こんにちは。
いも次郎です
娘のいも子でしゅ
今回紹介するのはユナイテッド航空(United Airlines Holdings Inc, UAL)です。
収益性 (ストレスフリー度) | 11 / 20 点 |
安全性 (ストレスフリー度) | 8 / 20 点 |
効率性 (ストレスフリー&わくわく度) | 10 / 20 点 |
成長性 (わくわく度) | 10 / 20 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 9 / 20 点 |
こんな人におすすめ!
- 絶妙な握力を持つ中・上級投資家
- コロナ禍による株安からの回復が遅い銘柄を探している人
- 波を利用した短期投資家
こんな人におすすめしません!
- 初心者投資家
- インカムゲインが欲しい人
- 安定性重視の人
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Table of Contents
企業概要
ユナイテッド・エアラインズはアメリカの航空会社です。
航空会社はサービスの質でFSC(フルサービスキャリア)とLCC(ローコストキャリア)の2つに分けられます。
LCCは徹底的にコストを削減することで低価格を実現し、客単価は低いものの、多くの客を獲得することで利益をあげています。
それに対して、FSCは高価格ながらクオリティの高い機内サービスや空港ラウンジ、マイレージプログラムなどの付加価値を提供することで高単価客を獲得しています。
ユナイテッド・エアラインズはFSCに数えられます。
この他のアメリカの主要FSCとしてデルタ航空とアメリカン航空があり、これら3社は熾烈な競争を繰り広げています。
機内や空港サービスはなかなか差別化が難しいのですが、これらの3社のFSCはマイレージプログラムと就航空港で差別化を図っています。
まず就航空港ですが、ユナイテッド・エアラインズのハブ(拠点)空港は本社のあるシカゴをはじめ、デンバー、ヒューストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンDCなど、アメリカの主要都市空港をハブとしており、アメリカ国内で240カ所近く、海外ヘは48の国と地域の118カ所へ就航しています。
国際線と国内線の幹線路線はユナイテッド・エアラインズが担当しており、国内線の小型機で飛ばす近距離路線(コミューター路線)はユナイテッド・エアラインズの子会社であるユナイテッド・エクスプレスが担当しています。
また、ユナイテッド・エアラインズは世界中の航空会社と提携し、他社の飛行機で自社の席を売るコードシェアを行っています。
これはユナイテッド・エアラインズだけに限った話ではなく、世界中の航空会社が航空アライアンスを形成し、コードシェアを広げています。
この航空アライアンスは大きく3つ存在し、
- スターアライアンス(26社)
ユナイテッド・ルフトハンザ・エアカナダ・タイ航空・ANA・シンガポール航空・中国国際航空など - スカイチーム(19社)
デルタ・エールフランス・KLM・中国東方航空など - ワンワールド(14社)
アメリカン・ブリティッシュ・キャセイ・JAL・カタール航空など
ユナイテッドは世界最大のアライアンスであるスターアライアンスに加盟しており、コードシェアを含む就航地は3社の中でユナイテッド・エアラインズが最も多くなります。
また、マイレージプログラムもこのアライアンス内の航空会社であればマイルを貯められるため、最大のアライアンスに加盟しているユナイテッド・エアラインズはマイレージのためやすさという面で最も優位であるといえます。
アライアンスの大きさは国際線を飛ばして初めて機能するということには注意しないといけませんね。
そうね、コロナ禍で国際線の回復には時間がかかりそうだから、しばらくは国内での強さがカギになってきそうね。
保有している機材は以下の通りです。
機材 | 座席 | 機体数 |
B777-200/300 | 267~364 | 96 |
B787-8/9/10 | 219~318 | 63 |
B767-300/400 | 167~242 | 54 |
B757-200/300 | 142~234 | 74 |
B737MAX | 179 | 14 |
B737-700/800/900 | 126~179 | 338 |
A319/320 | 126~150 | 189 |
リージョナルジェット CRJ, ERJ, EMB | 76以下 | 600 |
主力は100~200席の中型機と100席以下の小型機のようで、80%近くを占めます。
航空機ビジネスは乗客の多さ以上に座席の販売率(空席をいかに減らすか)が利益に直結します。
中小型機が多いということは、満席にしやすい便が多いということを意味しますから、コロナ禍のダメージを幾分和らげてくれることが期待でき、さらに需要回復時に真っ先に業績を回復させる可能性を秘めているということになります。
中小型機が多いということは、満席にしやすい便が多いということを意味しますから、コロナ禍のダメージを幾分和らげてくれることが期待でき、さらに需要回復時に真っ先に業績を回復させる可能性を秘めているということになります。
ただし、他の2社と比較して中小型機が多いかは現時点では分かりません(すぐに他2社も分析しようと思います)。
おっと、B737MAXを持ってるのね。
保有機は少ないですが、100機以上を発注しているようです。
なおB737MAXのソフトウェア不具合は解決され、2020年11月にFAAから運航停止措置を解除されたようですよ。
そんなユナイテッド・エアラインズですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
収益性・安全性・効率性・成長性・株主還元性の5つを指標を用いて評価していきます。
さて、まずは収益性から見ていきましょう。
収益性
売上高推移
2010年から2011年にかけて売上高が急増していますが、これはユナイテッド・エアラインズとコンチネンタル航空が合併したことによるものです。
その後はおおむね横ばいが続いており、2017年以降は緩やかに上昇傾向が続いていました。
安定性があったことが伺えます。
近年の緩やかな伸びは評価に値したんだけどね、、、。
なお、売上高に占める旅客運送事業の割合は90%近くあり、貨物事業は3%程度です。
また、売上高に占める国際線の割合は35%程度です。
粗利率・営業利益率
粗利率、営業利益率共におおむね安定しているように見えます。
航空業界の粗利率と営業利益率平均が50%前後と15%前後ですので、やや水準は低いようです。
安定感はありますが、ちょっと水準が物足りなように感じます。
そうね、収益性は高いとは言えないわね。
EPS推移
一株当たりの純利益を表すEPSの推移ですが、2012年にマイナスを計上しています。
2015年以降は水準が上昇し、近年は緩やかに上昇しているようでした。
近年の値動きは悪くないですが、若干安定性に欠けるような気がしますね。
航空業界はイベントリスクに若干弱いし、こんなものなのかしらね。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
コロナ禍が世界を襲い始めた2020年3月以降は散々な状況です。
大ダメージを受けている旅客運送事業の比率がかなり高く、復活が遅れそうな国際線比率も35%と比較的高いため、厳しい状況が続きそうですね。
今年中に黒字化できるかしら、、、。
営業キャッシュフロー推移
営業活動によるお金の出入りを示す営業キャッシュフローの推移ですが、やや波があるものの、上昇傾向が続いていました。
ここ数年は調子が良かったようですが、やや安定感に欠ける気がしますね。
堅実というよりはイケイケという感じね。
採点
売上高推移は良好ですが、利益率はやや低く、EPS・営業キャッシュフローの推移は近年好調でしたが、やや安定感に欠けるため、悪くはないですが良いとも言えずほんの少し高評価の11点です。
財務安全性
次に財務安全性を評価していきます。
流動比率
流動資産÷流動負債で求められ、短期的な安全性指標である流動比率ですが、高ければ高いほど安全性が高いと評価され、一般的に100%を下回っていれば問題ありと評価されます。
この10年は100%を下回っています。
なお、航空業界の流動比率の平均は70%前後と全体的に低い傾向にあります。
これは乗客からすぐに運賃を回収できるためのようですが、ユナイテッド・エアラインズはそんな中でも低い水準にあるようです。
ぐんぐん下がってようやく下げ止まったという感じですね。
やや短期安全性に難ありといた感じね。
当座比率
流動資産の中でもより現金化しやすい当座資産を流動負債で割った当座比率ですが、こちらも短期的な安全性を示し、高ければ高いほどよく、一般的に70%以下であれば問題ありと評価されます。
2012年以降は基準の70%を下回っています。
また、当座比率も航空業界は低めの傾向にあり、平均が60%前後とされています。
ユナイテッド・エアラインズは航空業界内でもやや低めの水準です。
こちらも2018年にようやく下げ止まっています。
コロナ禍のようなリスク発生局面では、このような平時の数字の悪さが効いてきそうね。
固定比率
固定資産を自己資本で割った固定比率ですが、こちらは長期的な安定性の評価に用いられ、低ければ低いほどよく、100%下回れば安全と評価されます。
100%以下には程遠い水準で推移しています。
航空業界は飛行機という高額な固定資産をたくさん持っていますから、当然といえば当然ですね。
自己資本比率
こちらも長期安全性を評価する自己資本比率で、少なくとも30%以上は欲しく、70%以上あれば十分安全であると評価できます。
こちらも基準値の30%には及びませんが、近年ではやや改善が見られました。
長期安全性もあまり高いとは言えないですね。
今のところ安全性は若干残念な感じになってるわね。
フリーキャッシュフロー推移
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計から算出され、資金繰りから安全性を評価するフリーキャッシュフローの推移です。
マイナスの年もあるようですが、プラスの年の方が多く、額もプラスの方が多いです。
飛行機の買い替え等、投資にお金を使うことも多いでしょうから、常にプラスというわけにはいかないようですね。
それでも、長い目で見るとキャッシュを生み出し続けているようね。キャッシュ視点ではそれほど問題はなさそうね。
採点
フリーキャッシュフローの推移は問題なさそうでしたが、比率分析から短期安全性・長期安全性ともにやや難ありですので、少し辛口の8点です。
効率性
次に効率性を見ていきます。
ROE
自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示すROEですが、アメリカ平均は16%前後だと言われており、航空業界はやや高めの30%前後が平均のようです。
ユナイテッド・エアラインズはアメリカ平均よりは上ですが、航空業界内では平均かやや低いと評価できそうです。
効率性も特段良いというわけではなさそうですね。
自己資本比率もROEも両方低いのは少しいただけないわね。
総資本回転率
売上高を総資産で割って算出され、総資産からどれだけ効率的に売上を生み出したかを表す総資本回転率ですが、航空業界の平均がおよそ0.8程度のようです。
ユナイテッド・エアラインズは航空業界平均をやや上回っているようです。
総資本回転率からはやや効率的と言えそうです。
売上高は安定していたもんね。
採点
ROEはやや低く、総資本回転率はやや高いという状況ですので、中立の10点です。
成長性
次に成長性を見ていきます。
売上高増加率
売上高成長率については、統合後はほぼ横ばいです。
なお、航空業界全体の5年売上成長率は+8%ですので、おおむね航空業界の平均的な成長を達成しているようです。
航空業界の平均に沿って順調に成長していたようですね。
営業利益増加率
営業利益増加率は増減が激しい状況が続いているようです。
成長が続いているとは言いにくいですね。
なかなかストレスフルな感じね。
EPS増加率
EPSの増加率については、ここ数年は緩やかに上昇していました。
また、5年EPS成長率の航空業界平均が+40%近くありましたが、ユナイテッド・エアラインズも引けを取ってはいません。
おおむね航空業界全体の成長率に沿って成長しているという感じでしょうか。
航空業界のかがみ的な感じね。
採点
おおむね航空業界の平均的な成長率に沿って成長しているようです。
よって、中立の10点です。
株主還元性
続いては株主還元について見ていきましょう。
一株当たりの配当金と配当利回り
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)ですが、ユナイテッド・エアラインズは無配株です。
航空業界はまだまだ成長産業で、規模拡大による株主還元を目指しているようです。
でも売り上げはあまり伸びてないけどね。
株価
株価の推移ですが、コロナ禍前まではやや波があるものの上昇傾向が続いていたようです。
コロナ禍前までは株価で株主還元はできていたようですね。
ただ、コロナ禍前から波が高くてスリリングだし、相当握力必要よね。そしてその自慢の握力がコロナ禍ではアダとなったって人もいそうね。
PER
2021年1月5日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は25倍台)は、現在赤字の真っ只中なので測定不能です。
ベータ値
株式市場全体との相関関係を示すベータ値ですが、ユナイテッド・エアラインズは1.67です。
ベータ値は1だと市場全体と同じ動きをし、1以上だと市場が上昇相場では株価を市場平均より大きく上げ、下落相場だと逆に市場平均より下がる傾向にあると評価されます。
0だと市場には関係なく株価が動き、マイナスだと市場全体とは逆の動きを見せるということになります。
ユナイテッド・エアラインズは市場より大きな動きをする傾向があるようです。
採点
無配でしたが、株価はコロナ禍前は長い目で見れば上昇していました。
ただし、コロナ禍により株価が激減し、またコロナ禍前から波は激しかったので、ややスリリングな銘柄のようです。
ですので、どちらかというと中・上級者向けの銘柄かなぁという印象で、初心者投資家目線で評価すると、やや辛口の9点です。
いも次郎の個人的な考えでは、航空業界はこのようなリスクから何度も立ち直っていますから、今回もきっと立ち直ると思います。
そう考えると、今は割安かもしれません。
総評
なかなか安定感に乏しく、やや中・上級者向けの銘柄かなぁという印象でした。
航空業界はコロナ禍で最もダメージを受けているセクションですが、コロナ禍次第では、旅行需要(まずは国内旅行)復活による株価上昇の恩恵を真っ先に受けられる可能性を秘めていると思います。
少なくとも過去分析したカーニバルなどのようにゆっくり海外を満喫するというような需要よりは戻りは早いのではないかと思います。
いずれにせよ、ややリスクの高い銘柄であることには変わりません。
ただまだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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