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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはコルゲート・パーモリーブ(Colgate-Palmolive, CL)です。
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Table of Contents
企業概要
コルゲート・パーモリーブはアメリカの日用品メーカーです。
主力は石鹸・洗剤・歯磨き粉・ペットフードです。
日本にはペットフードのみが参入していて、ヒルズの「サイエンス・ダイエット」がコルゲート・パーモリーブのブランドです。
日本のみならず、世界中で事業を展開しており、各国のおなじみの製品として親しまれています。
競合関係にあるのは、同じく世界中で事業を展開しているプロクター&ギャンブル(PG)やユニリーバ(UL)などが挙げられます。
創立は1806年で、最初は石鹸やキャンドルの会社でした。
石鹸の売上は順調に伸び、20世紀初頭には世界最大規模の石鹸メーカーに成長しました。
その後はプロクター&ギャンブル(PG)熾烈な競争を展開しながら海外にも事業を拡大し、現在のような多国籍企業になりました。
CEOのNoel Wallaceは生え抜きの人材で、2019年からCEOに就任しています。
そんなコルゲート・パーモリーブですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
原価と営業費用が半々ですね。
営業外損失が多いか少ないかが純利益に直接影響しているような損益計算書です。
安定した形だと思います。
四半期データ
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
影響なしですね。
石鹸などの日用品を作っていますので、コロナ禍程度のイベントリスクではびくともしません。
ただ、横ばいなので追い風というわけでもなさそうです。
売上高推移(ドル)
2016年に売上高が若干落ち込みましたが、おおむね安定していると言えます。
営業利益率(%)
営業利益率の推移ですが、こちらも安定して20%以上を推移しています。
同じ生活必需品メーカーのクロロックス(CLX)の水準は上回っており、高水準と言えそうです。
安定で高水準なので、営業利益率に関してはとても評価できます。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、営業外損失の額が大きい2015年以外はおおむね横ばいを推移しています。
面白味はないかもしれませんが、安定志向の方には今のところおすすめできそうです。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
毎年増配しており、利回りもそこそこの水準を維持しています。
ここまではストレスフリーな銘柄と言えそうです。
生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。
2016年は100%で、利益をほぼすべて株主に還元しており、それ以外の年も50%以上を推移していますから、配当にはかなり力を入れているようです。
またコルゲート・パーモリーブはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackを含めるとかなりの高水準となっています。
Buyback含めて株主還元には熱心な姿勢が見て取れます。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
コロナ禍までは上がったり下がったりを繰り返していますが、コロナ禍以降急激な上昇を見せています。
コロナ禍で世界中で手洗いなど清潔意識が根付きつつありますから、コルゲート・パーモリーブにとっては追い風になっているようです。
株価が不安定なわけではなく、配当がそこそこありますから、長期保有の株主還元についてはそこそこ評価できそうです。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
ここにきてムムムっという感じになってきました。
まず純資産が少ないです。
2015年に至っては債務超過しています。
流動比率(=流動資産÷流動負債)も100%に近づいています。
万が一流動比率が100%を切ってしまうと、1年以内に返すべき借金が1年以内に現金化できる資産より多いわけですから、短期的に債務不履行に陥ってしまう可能性があります。
まだギリギリ100%を上回っていますが、かなり心配な動きを見せています。
自己資本比率(%)
自己資本比率の推移ですが、改善傾向を見せています。
ただ、それでもかなり低い水準なので、ちょっと心配ではあります。
利益余剰金
一方で純資産の内の利益余剰金(ざっくり言うと儲けて貯めたお金)の推移ですが、こちらはぐんぐん伸ばしています。
こんなにお金貯めこんでいるのに純資産がなぜあんなに少ないかというと、Buybackによる自己株式の取得によって純資産が減っているようです。
まぁなので、もしかしたら自己資本比率の低さはそこまで気にしないでいいのかもしれません。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
キャッシュフローは営業キャッシュフローをしっかり生み出していて、つまり本業で儲けて、その儲けの中で投資を行うという、きれいなお金の流れを見せています。
キャッシュフローは問題なさそうです。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 6 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 3 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 5 / 10 点 |
今回は評価が難しかったです。
利益安定性については、安定した売上高推移と、比較的高い営業利益率で安定していますし、コロナ禍耐性も十分ですので、ちょっと高評価の6点です。
財務健全性については、自己資本比率の低さは利益余剰金の推移を見れば若干は安心するのですが、それでもやはり低水準ですし、流動比率が100%に迫ってきていることも考えれば評価は低くなり、3点を付けました。
株主還元性については、配当利回りは2%を上回っておりそこそこの水準と言えますし、株価の推移もストレスフルではなく安定していますので、少し高評価の6点です。
安定志向の方にはおすすめです。
最後に成長性ですが、コロナ禍で石鹸などの需要が高まっているとはいえ、これから爆発的に売上が伸びるとは考えられませんし、四半期データも爆増しているわけではないので、まぁひとまず中立の5点を付けました。
今回は評価が難しかったですが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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