【バルブ・流体制御】ペンティア(PNR)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはペンティア(PENTAIR, PNR)です。

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企業概要

またまた日本ではなじみがあまりない会社ですが、ろ過装置やバルブ・ポンプ等の流体制御装置を製造しているメーカーです。

一般住居向け製品(水道水ろ過システムや家庭用プールの循環装置)から大規模プール向けの循環システム、飲料メーカー向けのフィルターやバルブ等、B to B からB to Cまで幅広いラインナップを展開しています。

創業は1966年で、本社はロンドンにあり、米国やオーストラリア、中国、シンガポールなど世界中で事業を展開してます(残念ながら日本にはありません)。

ペンティアが扱う製品は流体系装置ということで、家庭用製品は景気にあまり左右されなさそうですし、飲料などの生活必需品製造メーカー向け製品も景気に左右されず安定していそうな匂いがしますね。

それではデータを見ていきましょう。

データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

2015年に純損失が出ていますね。

この年に営業外費用として減損処理を行ったようです。

減損処理とは固定資産による売上が予想通り回収できないときに一時的にこの処理を行って固定資産価値を減少させることで、処理後に売上の回収が見込めるようにするそうです。

つまり、投資がうまくいかなかった感じなんでしょうか。

この年は純損失を出しましたが、翌年以降は純利益に転じています。

売上高推移(ドル)

売上高を見てみると減少傾向で、2016年と2018年にガクンと下がっていますね。

2017年に一部事業をEMERSON社に売却したみたいです。

一方で、営業利益率は次の通りです。

営業利益率(%)

営業利益率は高水準を維持しています。

純損失を計上した後は、本業でしっかり稼いでいる印象ですね。

これを見る限りでは純損計上後はきちんと事業が整理され、効率化されてきたのかなという感じですかね。

大きくは稼げなくなったが、安定化はしたのかなという印象ですね。


さて、EPSを見てみましょう。

EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSは変動が激しく、上昇傾向とも言えませんので、長期投資家にとっては心もとないなぁという印象ですね。

株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

利回りはここ数年は減配傾向です。

その中で配当利回りはそこそこの水準を維持していますので、株価が若干落ちているんでしょうか。


またペンティアはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

Buybackを含めるとかなり高利回りだと言えそうです。

ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

配当のところでも少し予想はしていましたが、やはりここ数年の株価はイケてませんね。

ただ、コロナ禍の滝からは抜け出ているような気配がしますので、今が買いという見方もありますね。

貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

まず資産のボリュームが減少していますね。

PLでも言及しましたが、ダイエットして効率化してるって感じですね。

資産を見てみると、固定資産の比率も減少してきていますね。

いろいろな指標からダイエット中ということが読み取れます。

自己資本比率(%)

自己資本比率は2017年以降かなり高水準(その前から高水準ではありますが)で推移していますので、すぐさまゲームオーバーになることはなさそうですね(某土管屋のゲームで言うと残機10ぐらいですかね)。

ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、こちらはここ数年は増加傾向にあるように見えます。

ダイエットに成功しつつあるのか、収益性は上向いてきていますね。

キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

ダイエット中なので、営業キャッシュフローは減少傾向ですね。

他の投資・財務は激動ですね。

まぁしっかり投資できるタイミングで投資していると捉えることもできるので、成長への姿勢は見られますね。

結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)3 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)6 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)3 / 10 点
成長性 (わくわく度)5 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は辛口評価でした。

利益安定性ですが、売上高は減少傾向で純損失も出したこともありちょっと評価できませんね。

ただ、営業利益率は維持していますので辛口の中でも若干マシな4点です。

財務健全性ですが、流動資産が流動負債をしっかり上回っており、自己資本比率も高めなので、少し高評価の6点を付けました。

株主還元性については、利回り自体はそこそこなのですが、減配が続いており、株価がかなりストレスフルなので、辛口の3点を付けました。

最後に成長性ですが、売上高・営業利益率が減少傾向なのですが、営業利益率は維持しており、さらにROEが上昇傾向なこともあり中立の5点を付けました。

まぁ今後のダイエット効果に期待ですね。

また事業的には生活必需品周りの装置を扱っているので、コロナ禍などのイベントリスクには強そうですし、今後もしかしたらもしかするかもしれないですね。

今回は若干辛口評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!


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