【コーンフレーク】安定利益のケロッグ(K)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはケロッグ(Kellogg Co, K)です。

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企業概要

ケロッグはアメリカに本社があるシリアルや菓子・加工食品を製造する会社です。

日本でもケロッグのコーンフレークは有名ですよね。

あのトラが腕を組んでいるデザインのコーンフレークです。

他にもスナック菓子やビスケットなど、穀物を原料とした製品をいくつも製造しています。

ケロッグはアメリカのみならず、世界中で製品を製造、販売しています。

ケロッグは1906年にKeith Kelloggによりコーンフレークの製造会社として創立されました。

コーンフレークはこのKeith Kelloggにより開発されたのですが、病院食用のパンを作る過程でパン生地がカラッカラに乾いてしまい、もったいないから薄く延ばして焼いてたまたまできた製品のようです。

生産者さんの顔が浮かばないのは、たまたま出来た製品だからなのかもしれませんね。

その後ケロッグは他の企業を買収しながら成長し、コーンフレークという確たる製品を世界中で販売する巨大企業に成長しました。

CEOのSteven Cahillaneは酒類メーカーやコカ・コーラなど、飲料メーカーで上級職を歴任し、2018年からケロッグのCEOに就任しています。

そんなケロッグですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

毎年純利益を出し続けています。

製造業なので売上原価は高めですね。


四半期データ

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

コロナ禍に対しては無傷ですね。

食品系は自身の不祥事などがなければ、外部要因のイベントリスクにはかなり強いですね。


売上高推移(ドル)

売上高の推移ですが、安定の水平飛行ですね。

面白味はなさそうですが、いも次郎のような安定志向の投資家にはとてもいいですね。


営業利益率(%)

営業利益率は売上高に比べて動きが激しいですね。

穀物価格等の原材料の価格の増減が影響しているのだと思います。

上のグラフは米国の小麦先物価格の推移なのですが、2015年から2017年にかけては小麦価格が減少しており、その後上昇に転じています。

このように小麦をはじめとした原材料の価格が営業利益率に大きく影響しているのが分かります。

まぁ総じて営業利益率は高くもなく、低くもないという感じですね。


EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を示すEPSですが、こちらもおおむね営業利益率と同じ動きを見せています。

原材料の価格が純利益にも大きく影響するようです。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

ここ数年は増配が続き、利回りもそこそこの水準です。


生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。

100%を超えている年もあります。

儲け以上に株主に還元していることになりますから、並々ならぬ姿勢で配当を支払っているようです。

こういう姿勢を見せている企業は並大抵なことでは減配しませんから、配当重視の投資家にはいい銘柄かもしれません。


またケロッグはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

Buybackにもそこそこ力を入れていることが分かります。


ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

営業利益率やEPSとおおむね同じような値動きですね。

10年以上の長い目で見ると成長が見られますが、5年ぐらいのスケールでは横ばいですね。

配当もらってまったりと成長を期待するという投資家向けの銘柄のようですね。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

流動比率(=流動資産÷流動負債)が毎年100%を下回っています。

これはざっくりいうと1年以内に用意できる手もとの現金もしくは現金化しやすい資産以上に1年以内に返済しなければいけない借金が多いということになります。

電力会社のような売上をすぐに現金で回収できるなどの場合はあまり気にする必要はありませんが、普通この状況はあまりよくありません。

製造業は売上債権での売買を行うことが多いですから商品納品と代金の回収の間にタイムラグがあります。

こういうラグがあるような場合は、回収が遅れたら現金が枯渇してしまい、借金の返済ができない状況に陥る危険があります。

ですので、製造業で流動比率が100%を下回るのはあまり評価できません。

流動比率については注視していく必要がありそうです。


自己資本比率(%)

自己資本比率は20%前後を推移しています。

こちらも高くはありませんね。

短期的にも長期的にも少し不安定さを感じます。


累積余剰金

純資産の内、利益余剰金(企業が利益を積み立てたお金)の推移ですが、2018年と2019年は若干増えています。

この推移が継続してくれれば財務体質の改善も期待できそうです。


ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、アメリカ平均が16%前後なのを考えると、こちらは高水準です


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

毎年しっかり営業キャッシュフローを生み出していますが、流動比率の低さに対して営業キャッシュフローがやや低い気がします。

投資にはしっかりお金を使っているようなので、緩やかに、しかし確実に成長していくという姿勢は見て取れます。


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)6 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)3 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)6 / 10 点
成長性 (わくわく度)5 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回はぼちぼちの評価でした。


利益安定性については、営業利益率は決して高くはありませんが、売上高は非常に安定していますし、コロナ禍にもびくともしていませんから、ちょい高評価の6点です。


財務健全性については、利益余剰金は少しいい傾向が見えていますが、それでも自己資本比率は高くはなく、流動比率が100%に遠く及びませんし、その分を営業キャッシュフローでカバーもできていませんので、辛口の3点です。


株主還元性については、株価の推移は短期的には横ばいでも長期視点では緩やかに上昇していますし、配当利回りもそこそこいいですので、こちらもちょい高評価の6点です。


最後に成長性ですが、成熟企業ですし、扱っているのが食品なので激しく成長することは期待できませんが、投資もしっかり行っており、斜陽でもなさそうですから、中立の5点です。


今回はそこそこでしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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