【電子債券取引】財務おばけのマーケットアクセス(MKTX)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはマーケットアクセス(Market Axess Holdings Inc, MKTX)です。

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企業概要

マーケット・アクセスはアメリカにある債権などの電子取引プラットフォームを運営している会社です。

主に機関投資家向けのプラットフォームで、複数市場における社債・国債などの債権の購入を可能としています。

簡単に言ってしまえば、機関投資家向けの債権専門オンライン証券会社といったところでしょうか。

アメリカにおいてはこの分野のマーケットリーダであり、アメリカの社債取引の20%がこのプラットフォームを介して取引されています。

電子取引プラットフォームだけではなく、マーケットデータの提供や商品の受け渡しや決済などのポスト・トレード・サービスなども展開しています。

創業者で現在のCEOでもあるRichard McVeyが1999年にJPモルガンの新しいプログラムとして電子取引プラットフォームを提案し、2000年にベンチャー企業を立ち上げました。

その後国内外の企業を買収しながら世界中にネットワークを持つ電子プラットフォームの構築に成功しました。

そんなマーケット・アクセスですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

毎年黒字ですね。

原価と営業費用がほぼ半々で毎年変わらずですね。

営業外での損益もあまりありませんから、安定ですね。


四半期データ

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

コロナ禍なんて関係なしですね。

金融緩和の影響で世界中でマネージャブジャブですから、証券や債券市場は絶好調です


売上高推移(ドル)

売上高の推移ですが、右肩上がりです。

ここ数年のアメリカ金融市場は絶好調でしたから、その恩恵をかなり得ているようです。


営業利益率(%)

営業利益率の推移ですが、激高で安定しています。

逆にどうやったらここから赤字になるんですかね。


EPS(ドル/株)

一株あたりの純利益を表すEPSですが、こちらも右肩上がりが続いています。

しかもこの5年で倍増しています。

投資家としても理想的な動きを見せています。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

ここ5年は毎年増配していますね。

ただ、利回りは正直低いです。


生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。

高くはないですが、配当を無視しているわけでもなさそうです。

経営者が配当を重視するようになったら利回りが上がる可能性は秘めていそうです。


ただマーケットアクセスはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

Buybackを含めても高くはありませんね。

では、企業の成長による株価アップでの株主還元に重点を置いているのでしょうか?

それを確認するために株価の推移も見てみましょう。

株価

株価は確かに伸びています。

ここまで来ると配当重視か株価重視かという好みの問題だと思います。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

純資産たっぷりで、流動資産だけで全負債を余裕で賄えてしまうという脅威の貸借対照表です

短期的にも長期的にもちょっとやそっとのことでは傾かなさそうです。


自己資本比率(%)

自己資本比率は驚異の80%台です。

財務の鬼のアビオメッドにも匹敵する超高水準です。


累積余剰金

純資産の内の利益余剰金の推移ですが、お金がものすごくたまっているようです。

ここまでの推移ならもう少し配当を増やしてよってクレームを入れたくなるぐらいの良い推移だと思います。


ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、アメリカ平均が16%前後と言われていますから(ちなみに悲しいことに日本はこの半分もありません)、かなり効率よく利益を生み出していることが分かります。


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

毎年しっかり営業キャッシュフローを生み出して、ほどほどに投資を続けるという、安定のキャッシュフローです。

全てにおいて安定していますね。


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)9 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)9 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)7 / 10 点
成長性 (わくわく度)6 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は超高評価でした。


利益安定性については、驚異の営業利益率とROE、右肩上がりの売上・EPS、言うことなしの9点です。


財務健全性については、財務の鬼のアビオメッドに匹敵するほどの驚異的な自己資本比率と負債の少なさで、こちらも言うことなしの9点です。


株主還元性については、配当利回りは低いですが、株価の推移は言うことなしです。

ただPER((割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍台)は50倍台と他のITグロース株に負けず劣らず高いですので、それも考慮しても高評価の7点です。


最後に成長性ですが、売上高が順調に伸びており、金融市場が調子がいい間は安泰でしょうが、将来的にすさまじく伸びるということは考えにくいですから、それでも高評価の6点です。


今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!


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