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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはロスストアーズ(Ross Stores, ROST)です。
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Table of Contents
企業概要
ロスストアーズはアメリカの小売りチェーン店を運営する会社です。
Ross Dress For Lessという名のファッションアウトレットストアを運営しています。
全米で1500店舗以上を誇っており、有名ブランドを激安価格で販売しているようです。
基本的には売れ残り商品をひたすらハンガーラックに並べて、ショーウィンドウやマネキン展示などは一切行わないなど、徹底したコストカットにより格安を実現しているようです。
日本には出店していませんが、ホノルルやグアムなど日本人にはお馴染みの場所にも出店しています。
掘り出し物を探し出す「トレジャーハント」が話題になっているようです。
ロスストアは1950年に誕生した「ロスデパート」が前身であり、今のようなアウトレットストアになったのは1982年のことでした。
CEOのBarbara Rentlerは1986年にロスストアーズに入社した生え抜きの人材であり、トレンド調査・商品企画・販売戦略などを行うMDの業務を主に担当し、2014年にCEOに就任しました。
彼女は2019年にフォーブスの「最も革新的なリーダー100人」に女性で唯一選ばれました。
そんなロスストアーズですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていき。
損益計算書(単位:ドル)
原価高めですが、毎年しっかり利益を出し続けています。
アウトレットストアなので、仕入れ値に近い価格で服を販売するでしょうから、売上原価が高いというのはイメージ通りですね。
というよりもっと原価の比率が高いと思っていましたが、意外と利益を生み出しやすい構造のようです。
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
2020年4月の決算では売上高が半減するほどのダメージを受けていますが、7月のデータでは盛り返しています。
とはいうものの、コロナ前の水準とは程遠い状況ですので、コロナ禍の影響は甚大のようです。
売上高推移(ドル)
売上高の推移ですが、コロナ禍前は右肩上がりでした。
四半期データから今年の売上は激減していますから、この傾向はひとまず今年で終了ですね。
どう立ち直っていくのか注視していく必要がありそうです。
営業利益率(%)
営業利益率ですが、アウトレットストアにしては高いように見えますね。
薄利多売で売上が落ち込んでしまうとたちまち立ち行かなくなるということではなさそうです。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらも右肩上がりが続いていました。
コロナ禍の影響で今年は散々なデータになるでしょうから、ほんと今までのデータは参考程度にしかならなさそうですね。。。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
増配は続いていますが、利回りは高くないですね。
配当性向も少し見てみましょう。
配当にはあまりお金を割いていないようです。
配当にはあまり力を入れない銘柄のようですね。
ただロスストアーズはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackを含めるとそこそこの利回りにはなります。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
コロナ以前は上昇傾向でしたが、やはりコロナ禍の影響は甚大だったようです。
あと若干山あり谷ありのチャートなので、握力が求められそうです。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
純資産がたっぷりあり、流動比率も100%を下回ることはなかったので、安全性には今のところ問題ないかなぁと思いますが、気になるのは2020年の動きです。
固定資産が激増し、それに伴い流動負債が増え、固定負債も爆増しています。
設備等のリースを行ったようで、それに伴い長期の借り入れも実施し、このような状況になったようです。
2019年に店舗を急拡大したようで、それに伴うものでしょうか。
そしてコロナ禍突入という、若干災難に見舞われている模様です。
自己資本比率(%)
自己資本比率は2019年に上記のように長期で借入れし、拡大路線を進んだので、自己資本比率は落ち込んでいますが、それでも35%以上という高水準をキープしていたので、コロナ禍さえなければ問題なしと言いたかったのですが、今後の推移を見守る必要がありそうです。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、正直びっくりの高水準です。
コロナ禍さえ乗り越えられたら再拡大できる企業体質であると言えそうです。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
毎年営業キャッシュフローを増やし続けていますし、ほどほどに投資にもお金をかけて、コロナ禍さえなければとてもいい銘柄であったと思います。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 5 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 3 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 5 / 10 点 |
今回は評価が難しかったです。
コロナ禍さえなければいい銘柄だと思うのですが、影響は甚大なのでどうしても考慮に入れざるを得ません。
利益安定性については、ディスカウントストアで10%を超える営業利益率と売上高の上昇で高得点を付けたかったのですが、やはり四半期データからコロナ禍の痛手を負っている印象ですし、コロナ禍次第では今後も長期間落ち込む可能性もあることから中立の5点を付けました。
財務健全性については、自己資本比率と流動比率は問題ない水準であったので、すぐにどうこうというような状況ではありませんが、2019年の急拡大が裏目に出た結果になりそうなので、利益安定性より若干マシということで6点を付けました。
株主還元性については、配当が雀の涙にもかかわらず株価も安定して上昇というより山あり谷ありで結果上昇という感じなので、ちょっとリスク高めかなぁと思いますので、辛口の3点を付けました。
最後に成長性ですが、今までのデータを見る限りは今後の成長も期待できたのですが、コロナ禍次第ですね、、、中立の5点です。
今回は評価が難しかったですが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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