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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはファーストリパブリックバンク(FRC)です。
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Table of Contents
企業概要
サンフランシスコに本社を構え、銀行および資産管理を行っている会社です。
主に富裕層向けのビジネスを展開しているようで、FacebookやTwitter等の本社にも支店を構えてようです。
実際支店の所在地を眺めていると、サンタモニカ近くのいかにも富裕層がいそうな地域から、イケイケ富裕層が多いであろうシリコンバレーなど、いかにもという地域に多数進出しています。
ちなみに、日本には支店はないようです。
創業は1985年と比較的新しい銀行です。
2007年にメリルリンチに買収されましたが、2008年にリーマンショックでメリルリンチは事実上破綻したため、FRCは再び創業者(今の会長)の手に戻ったようです。
景気か悪くなると庶民からまず影響を受け、景気がいい時は富裕層から恩恵を享受すると言われています。
なので富裕層向けビジネスは軌道に乗ると業績は安定化しやすいといも次郎は考えていますので、すでに安定した利益を出していれば今後も有望かなぁと個人的には思っています。
そんな期待をしながら、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
銀行なので、損益計算書の構成もちょっと特殊です。
収入の柱は利息の収入です。
これぞ銀行の鏡ですね。
日本の銀行の場合は金利が極めて低い状況が続いています。
低金利だと融資は増えますが、利息収入が減ってしまうという側面もあり、利息の収入を柱とした体質では厳しいという状況になったりもします。
なので日本のメガバンクなどは利息外の収入の比率を高くし足りしているのですが、ファーストリパブリックバンクは利息でうまく稼いでいるようです。
アメリカでもコロナショックを受けてゼロ金利政策が実施されていますから、アメリカももしかしたら日本のような構造になるかもしれません。
ただし、ファーストリパブリックバンクは富裕層向けという特徴を持っていますから、もしかしたら一般的な銀行とは状況が異なるかもしれません。
売上高推移(ドル)
利息収入と利息外収入の合計である売上高の推移ですが、右肩上がりのようです。
銀行でこんなにぐんぐん伸びてるなんですごいですね。
ファーストリパブリックバンクは他の銀行とは一味違うという匂いがします。
利益率(税引き前, %)
税引き前の利益率はこのような状況です。
凄まじい利益率だと思います。
しかも安定しているというおまけ付きです。
安定した利益をあげるという意味では、かなりの高評価です。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらも右肩上がりです。
投資家としてはとても高い評価ができる状況だと思います。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
配当自体は増配傾向ですが、利回りが正直イケてません。
配当性向も見てみましょう。
若干低い水準かなぁと思います。
あれだけ安定して利益をあげていますので、もう少し株主に還元してもいいんじゃないかなぁと個人的には思いますね。
なお、Buybackもしていないようで、あとは株価で還元ということになるかと思いますが、株価の推移は次の通りです。
株価
ファーストリパブリックバンクは株価で投資家にガンガン還元するスタンスのようです。
2015年の低い時と比較すると倍近く伸びていますし、右肩上がりのトレンドはしばらく続いています。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
銀行なので貸借対照表も形が特殊です。
普通の企業であれば預金は資産ですが、銀行からすれば顧客から預かったいわば借金のようなものです。
ですので、預金は負債の方に入ります。
それと同じようにローンは資産に入ります。
顧客の預金をローンとして貸すという絵にかいたような銀行の貸借対照表です。
そして、ローンの額も年々増えていますので、伝統的な金融業務がうまくいっているのでしょうかね。
気になるのは、ゼロ金利政策を受けて銀行事業でうまく利益をあげられない状況に陥った時に対応できるのかということですね。
幸い富裕層向けの銀行なので、付加価値を顧客に提供しつづければ何とか成長を続けられそうかなぁと思いますが、ちょっと今後の金融政策とファーストリパブリックバンクの動きは注視していきたいですね。
ちなみに、日本の銀行は本業ではなかなか利益を上げるのが難しくなっているようで、有価証券の購入等の比率が高くなっています。
また預金額もぐんぐん伸びていますので、ここ数年は好調そうです。
現金が2019年に減ってはいますが、証券もまだまだ残ってますし、気にしなくてもよさそうです。
自己資本比率(%)
自己資本比率は若干減少傾向です。
まぁ額自体は増えているので、そんなに心配する必要はないかなぁと思います。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、まぁそこそこですね。
ちなみに日本の銀行でこのようなROEをキープしている銀行はほとんどないようですので、銀行としては高い方なのでしょうか。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
しっかり集めて、しっかり貸したり投資しているようですね。
投資キャッシュフローと財務キャッシュフローが拮抗していました、ここ数年は財務キャッシュフローが少なめですね。
それが2019年に顕著だったので少しキャッシュが減少しているのが気になります。
今後どのような推移を示すか注視が必要かなぁと思います。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 8 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 5 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
今回はまずまずの評価でした。
利益安定性ですが、売上高・EPSが右肩上がりで、利益率はかなりの高水準で安定してますので、高評価の8点です。
財務健全性ですが、投資キャッシュフローのマイナスと財務キャッシュフローのプラスの差が大きくなり、若干期末の現金が減っているのと減り自己資本比率が若干減少傾向ですが、純資産の額自体は増加傾向ですので、中立の5点を付けました。
株主還元性については、利回りが低く、配当性向もそこまで高くないので、配当という面ではあんまり評価できませんが、株価の推移はイケてましたので、ちょっと高評価の6点を付けました。
最後に成長性ですが、売上高・EPSは右肩上がりなのですが、2019年のキャッシュフローの動きとROEが若干減少傾向なのが気になりますので、それでも高評価の6点を付けました。
まぁ富裕層向けのサービスなので、庶民向けサービスに比べて景気に左右されにくい(いつの時代も金持ちは一定数いる)と思いますので今後も安定はするかなぁと思います。
今回はまずまずの評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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