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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはS&P500構成銘柄ではありませんが、妻のリクエストに応えてリオ・ティント(Rio Tinto, RIO)です。
たまにはS&P500から離れてもいいかなぁと思っていますので、今後も気が向いたらS&P500構成銘柄以外を分析していきたいと思います。
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Table of Contents
企業概要
リオ・ティントはロンドンに本社を構える鉱山会社です。
世界中で鉱石等の資源を採掘しています。
主力は鉄鉱石で、世界2位の採掘量を誇ります。
そのほかにも、銅(世界4位)・アルミニウム(ボーキサイト、世界1位)・ダイヤモンド(世界3位)・金(世界7位)・チタン(世界3位以上)・ウラン(世界3位)など、様々な鉱山資源を採掘しています。
鉄や銅は建物やインフラ整備にかかせませんから、発展途上国の経済成長期に大きく成長する産業ですし、チタンやアルミニウム、金などは最先端技術にかかせませんから、先進国の成長期に伸びる分野ですので、発展途上国か先進国のどちらかが成長していれば何とかやっていけそうという事業構造であると予想できます。
社名であるリオ・ティントはスペインの鉱山の名前ですが、この鉱山の歴史は古く、紀元前3000年ごろからイベリア人やタルテッソス人なる人々により採掘が行われているようです。
その後フェニキア人、ギリシア人、ローマ人、西ゴート族、ムーア人と様々な人種・民族に採掘され、一時は放棄されたのですが、1724年に再びスペイン政府(スペイン・ブルボン朝)により再開発が行われました。
その後1873年にこの鉱山が民間に払い下げられ、リオ・ティント社が誕生します。
1880年代後半にこのリオ・ティント社はロスチャイルド家に支配権が移り、同社の規模を大幅に拡張しました。
そのため、スペインの鉱山名を社名に使っているのに本社がロンドンにあるわけです。
その後、他企業と同様に数々の企業を買収しながら世界有数の鉱山に成長しました。
2000年代にはリオ・ティント鉱山での採掘は終了していますが、現在オーストラリア・カナダ・ヨーロッパ・アメリカで採掘を続けています。
現在の社長のサイモン・トンプソンはロイズ銀行・NMロスチャイルド&サンズ(投資銀行)・SGウォーバーグ(投資銀行)と、金融業に従事しますが、その後鉱山会社で重役になり、さらに建材会社・ガス採掘調査会社・金鉱会社・エンジニアリング会社の役員を歴任し、金融・資源に精通した人物と言えそうです。
そんなリオ・ティントですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
2015年に純損失を出しています。
この年にアルミニウム資源の売却を行っており、営業外費用に減損処理を計上し、為替によっても損失を出して、営業外費用として処理されています。
売上高推移(ドル)
売上高に関しては若干上昇傾向といったところでしょうか。
2015年にアルミニウム資源を売却していますので、2016年に若干売り上げを落としたものの、その後はしっかり上昇しています。
営業利益率(%)
営業利益利率はアルミニウム資源売却後に上昇しました。
不採算事業を整理して、かなり利益を生み出しやすい体質になったようです。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、上昇傾向が続いていましたが、2019年に下落しています。
しかしながら、2018年に営業外で利益をあげ、2019年に営業外で費用費用が発生したためこのようなグラフを描いているだけのようです。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
減損処理をした2015年から2016年にかけては減配となりましたが、その後は増配しています。
また、配当利回りは低かった2016年でさえも高水準です。
これは高配当認定していいと思います。
配当性向も少し見てみましょう。
減損処理を行った2015年から2016年にかけてはすさまじい数字になっていますが、2017年以降の数字を見ると、よく株主に還元してくれていることが分かります。
平時はかなりたくさん、非常時でも多少無理してでも配当を出すというスタイルのようです。
またリオ・ティントはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackを含めたらちょっと怪しいぐらいに高水準ですね。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
山あり谷ありですね。
減損処理をした年を境に下落基調から上昇基調にシフトしています。
コロナ禍の影響を多少受けていたようですが、今ではコロナ以前の水準まで戻しています。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
純資産はたっぷりあり、流動比率(=流動資産÷流動負債)も100%は余裕でクリアしていますから、貸借対照表は問題なさそうです。
自己資本比率(%)
自己資本比率は高水準で安定飛行を続けていますね。
全く問題なさそうです。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、こちらは利益に波があるため、動きが激しいです。
しかしながら、外れ値を消去して見てみるとそこそこ高水準ですので、効率よく利益を生み出していると言っていいと思います。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
やはり減損処理をした後は営業キャッシュフローも見違えるほど向上しています。
営業キャッシュフロー内で程よく投資にもお金を使っており、いい感じじゃないでしょうか。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 5 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 7 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
今回はまぁまぁ高評価でした。
利益安定性については、2015年に純損失を出したので、そこはマイナス点ですが、その後は不採算事業を整理したのが功を奏して営業利益率が上昇し、売上高も安定飛行が続いていますので、ちょっと辛めで中立の5点を付けました。
財務健全性については、純資産も潤沢にあり、流動比率も安心の水準ですので、高評価の7点を付けました。
株主還元性については、株価は山あり谷ありでおいしさはあまりなさそうなのですが、配当利回りがかなり高いので、高評価の7点です。
最後に成長性ですが、中国の景気が回復傾向になってきていること、投資にお金をしっかり使っていること、まだまだ途上国の成長が期待できることを考えると、そこそこ成長するかなぁと思いますので、6点を付けました。
今回はまぁまぁ高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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