【臨床検査】コロナ禍が追い風のラボコープ(LH)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはラボコープ(Laboratory Corp of America Holdings, LH)です。

   Table of Contents

企業概要

ラボコープは世界最大の臨床検査会社です。

臨床検査とは被験者の病状などを評価する検査のことです。

例えば血液検査やHIV等のウイルスの遺伝子検査、遺伝子からがんのリスクを測定する検査、さらに親子関係を判定する検査まで様々な検査を扱っています。

今では誰もが知っているPCR検査も臨床検査です。

そして、ラボコープはPCR検査のパイオニア的存在であり、また抗体検査も扱っており、コロナ禍の時代で引っ張りだこの企業だといえそうです。

もちろんPCR検査以外にも数多くの検査技術を持っています。

アメリカ国内で30以上の研究施設を持ち、毎週250万件以上の検査を行っています。

ラボコープは1995年にNational Health Laboratories HoldingsとRoche Biomedical Laboratoriesが合併してできた会社です。

National Health Laboratories Holdingsは1978年にレブロン社の事業として発足し、その後様々な企業を買収しながら成長をしてきました。

一方のRoche Biomedical Laboratoriesは1896年にスイスで誕生したRoche社が1905年にアメリカに進出して誕生しました。

会長であるAdam H. Schechterは2019年の11月から同社の社長に就任していますが、それまでは米製薬大手のメルク社に30年近く在籍し、重役にまで上り詰め、ヘルスケア分野は経営に至るまで熟知している人物のようです。

そんなラボコープですが、さっそくデータを見ていきましょう。

データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

毎年純利益を出しています。

原価は高めですね。

利益率は高くはないですが、そこそこ安定しているように見えます。

コロナ禍には強そうですが、四半期データも見てみましょう。

2020年の3月は純利益は一時的に落ち込んでいますが、それ以外はどの数字も水平飛行が続いています。

「コロナ禍?なにそれ?」という感じでしょうか。

売上高推移(ドル)

売上高は順調に上昇しているようです。

安定感があっていいですね。

営業利益率(%)

営業利益率も高くはないですが、まぁまぁの水準で安定しています。

安定重視のいも次郎にはいい印象です。

EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらは若干浮き沈みがありますね。

営業利益率が高ければこれも安定するのでしょうが、まぁ波は許容範囲でしょうかね。

株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)を見ていきたいところですが、ラボコープは無配株です。

ただラボコープはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

上昇傾向で一見よさそうに見えます。

まぁBuybackは実施するハードルも低めですが、やめるハードルも低めなので、その特性は考慮に入れておく必要があります。

つまり、これだけで今後も安定してBuybackで株主還元が行われるという保証は全くないということです。

また、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

上昇傾向ですが、ここ数年で20%近くの株価下落が2回も起こっています。

1回はコロナ禍で後の1回が2018年で、いずれもすぐ(と言っても数か月はかかっています)に戻しているので、まぁ握力があれば問題はないという感じでしょうが、いも次郎には自信ないですね、、、。

まぁしかしながら5年で倍近くまで増えていますので、評価が難しいですね。。。

貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

純資産たっぷりで、流動比率(=流動資産÷流動負債)も100%を超えていますので、そこは評価できますが、若干流動比率が100%に近づいているのが気になります。

研究施設を運営していますので固定資産も多いですね。

自己資本比率(%)

自己資本比率は高水準ですし、安定しています。

中長期的にも今のところ心配しなくてもよさそうです。

ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、まぁアメリカの平均といったところでしょうか。

可もなく不可もなくという感じですね。

キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

営業キャッシュフローは安定して生み出していますし、ここ最近は若干増やしています。

そして、投資にかなりお金を使っていることもわかります。

研究が必須な企業なので、投資に対する姿勢は評価できます。

結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)5 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)6 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)5 / 10 点
成長性 (わくわく度)7 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回はぼちぼちでした。

利益安定性については、売上高は上昇傾向で、営業利益率も安定していますが、利益率が高いわけではありませんので、中立の5点です。

財務健全性については、純資産はたっぷりありますが、流動比率が100%以上ではあるものの、若干100%に近づいていますので、それを差し引いて、若干高評価の6点です。

株主還元性については、株価は上昇傾向なのですが、若干安定しないのと、配当が大好きないも次郎の主観も相まって、中立の5点です。

最後に成長性ですが、これまた成熟企業なので激しい成長は見込めないでしょうが、投資をしっかりしていますし、売上高も上昇傾向にあり、コロナ禍においてはPCR検査という成長要素も持っていますので、高得点の7点です。

今回はぼちぼちでしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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