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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはアーサーJ.ギャラガー(Arthur J. Gallagher & Co., AJG)です。
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Table of Contents
企業概要
アーサーJ.ギャラガーは世界各国に拠点を持つ保険仲介およびコンサルティング会社です。
取り扱っている保険商品は多岐にわたり、健康保険・自動車保険・老後生活保険のような身近なものから、航空宇宙保険・建設保険・エンターテインメント保険・金融機関保険・農業食品保健・高等教育機関向け保険・法律事務所向け保険・公的機関向け保険・不動産保険・海上保険など、企業や公共団体などに向けた保険など、様々な商品を扱っています。
拠点はアメリカはもちろんのこと、カナダやチリ・コロンビアなどの南米、カリブの国々、イギリスやスウェーデン、インド・シンガポール、オーストラリアなど、世界中に拠点を有しています。
残念ながら日本には進出していないようです。
創立は1927年でアーサー・ジェームズ・ギャラガーさんが設立しました。
その後激しい国内競争にさらされますが、それでも急成長を遂げ、さらに他社を買収しながら現在のような大企業に成長しました。
従業員は30,000人を超えています。
そんなアーサーJ.ギャラガーですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
毎年きちんと利益を出し続けていますね。
売上原価の割合が高いようですが、他の保険会社でも同様でしたので、まぁそんなものなのでしょうという感じでいいかと思います。
一応コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。
コロナ禍の影響は軽微そうですね。
売上高推移(ドル)
売上高は順調に伸ばしています。
波もありませんし、安定していそうです。
営業利益率(%)
営業利益率も比較的安定していますし、気持ち上昇傾向です。
高水準ではありませんが、まずまずといったところでしょうか。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらも上昇傾向です。
投資家としてはなかなか魅力的な推移を見せています。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
毎年増配していますが、配当利回りは減少傾向です。
株価が右肩上がりなんでしょうか(後で見てみます)。
利回りの水準的にはぼちぼちといったところでしょうか。
配当性向も少し見てみましょう。
数年前まではそこそこ配当にお金を回していたことが分かりますが、ここ数年は減少傾向です。
それでもそこそこの水準ですし、過去高水準の時もありましたから、やる気さえ出せは利回りはまたかなりの水準まで戻す可能性を秘めています。
またアーサーJ.ギャラガーはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
2016年にBuybackを実施しましたが、それ以外ではあまりBuybackは行っていないようです。
Buybackは「おまけ」ぐらいに考えておいた方がよさそうです。
また、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
この5年はきれいに右肩上がりです。
コロナ禍で虫食いみたいなチャートになっていますが、比較的早く立ち直り、右肩上がりの基調に戻ってきています。
この銘柄は配当でぼちぼち、株価でそこそこ株主に還元する銘柄のようです。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
流動比率(=流動資産÷流動負債)が100%前後で推移しています。
流動比率が100%切ったとしても現金がすぐ入ればあまり気にする必要はないのかもしれませんが、その辺りはキャッシュフローで見てみましょう。
純資産はたっぷりありますね。
貸借対照表でパッと見たときに気になる点は流動比率の一点です。
自己資本比率(%)
自己資本比率は比較的安定しているものの、減少傾向です。
財務的には若干気になる数字がちらほらとありますね。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、10%を超えています。
ただアメリカではROEが15%を超えていることはザラですから、普通、ちょい低いという感じでしょうか。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
営業キャッシュフローはプラスで安定していますし、貸借対照表で見た流動比率について、十分現金を生み出す力を持っていそうですので、問題なさそうです。
投資にはそこそこお金を使っていますね。
特にここ最近では営業キャッシュフロー以上に投資にお金を使っています。
成長への姿勢を伺うことができますが、「そろそろ落ち着こうか」とも思ったりします。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 6 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 5 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 7 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
今回はそこそこ高評価でした。
利益安定性については、売上高、EPSが右肩上がりで営業利益率も上昇傾向ではありますが、利益率の水準自体がそこまで高くありませんので、そこは考慮して、ちょっと高評価の6点といったところでしょうか。
財務健全性については、自己資本比率は若干下落気味ではあるものの依然として高水準ですし、流動比率が100%前後で推移していて一見ひやひやしますが、営業キャッシュフローで十分に現金を生み出せていますし、まぁそこまで心配しなくていいのかなぁという感じですので、中立の5点を付けました。
株主還元性については、配当利回り・株価の推移双方そこそこ良く、合わせ技で高評価、さらに配当性向からもさらなる増配も期待できそうですので、高評価の7点です。
最後に成長性ですが、産業的には成熟産業ですが、グローバルに事業を展開し、売り上げも上昇傾向で、投資にしっかりお金を使っていますので、そこそこは成長するかなと思いますので、ちょっと高評価の6点を付けました。
今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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