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こんにちは。
いも次郎です。
今回紹介するのはライオンデルバセル・インダストリーズ(LyondellBasell Industries, LYB)です。
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Table of Contents
企業概要
ライオンデルバセル・インダストリーズは化学メーカーでポリエチレンやポリプロピレンなどのポリマー樹脂やエチレンやプロピレン・エタノールなどの有機化学薬品を製造しています。
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリマー樹脂の技術では世界をリードしているようです。
ポリマー樹脂とはエチレンやプロピレンのような単体でふわふわしているものを連結させて作る高分子化合物であり、つまりはプラスチック製品の原料です。
ポリエチレンは耐薬性・耐候性(外に出して劣化しにくいかどうか)に優れレジ袋や包装紙の原材料であり、人工関節にも用いられています。
ポリエチレン粒(Wikipedia引用)
ポリプロピレンは耐熱性・強度に優れ、食洗機やタッパーなどのプラスチック容器、一部国では紙幣にも利用されています。
ポリプロピレン容器(Wikipedia引用)
ポリマー紙幣であるイスラエル紙幣(Wikipedia引用)
ライオンデルバセルは2007年にオランダにあるバセルポリオレフィン社が米国にあるライオンデル社を買収し、誕生しました。
ライオンデルバセルは2009年に連邦破産法11章を申請しますが、2010年には破産保護から脱却しました。
現在化学メーカーとしては売上高上位10企業に入るような巨大企業になっております。
そんなライオンデルバセルですが、さっそくデータを見ていきましょう。
データ分析
さて、まずは損益計算書を見ていきます。
損益計算書(単位:ドル)
原材料メーカーなので、原価がかなり高めです。
費用のほとんどが原価ですね。
それでも毎年しっかり純利益を出していますね。
コロナ禍の影響を見るために四半期データも見ていきましょう。
素材メーカーなのであまり影響はないのかなぁと思っていましたが、全世界の経済急縮小の影響は避けられなかったようです。
しかしながら、何とか純利益を出すことには成功していますから、今のところ傷は深くはないかなぁという印象です。
売上高推移(ドル)
売上高は若干波がありますが、まぁ落ち着いているかなぁという感じです。
作っているものがプラスチックの原料などなので、ぐんぐん伸びるということは考えづらいですし、減少傾向でないのならまぁいいかなぁと思います。
営業利益率(%)
営業利益率は減少傾向ですね。
原価が若干上昇傾向なんでしょうか。
EPS(ドル/株)
一株当たりの純利益を表すEPSは横ばいですね。
安定して利益を出していると言えそうです。
株主還元
続いては株主還元について見ていきましょう。
まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。
増配傾向が続いており、利回りも高めです。
これはなかなかの高配当株と言えるのではないでしょうか。
配当性向も少し見てみましょう。
高配当ではあるものの、配当性向はそこまで高くありません。
そのため、無理して配当を出しているということにはならなさそうなので、今後も継続した安定高配当が期待できそうです。
またライオンデルバセルはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。
Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。
流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。
Buybackを含めた利回りは次の通りです。
Buybackを含めると、かなりの高利回りになります。
いも次郎が探し求めていた安定高配当に該当しそうな匂いがプンプンします。
ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。
株価
2013年まではぐんぐん伸びていましたが、そこからは上がったり下がったりという状況ですね。
コロナ禍の影響でかなり落ち込んでいた株価も徐々に戻しているという状況で、戻しの恩恵を狙って今のうちに買うのもありかもしれません。
貸借対照表(単位:ドル)
次に貸借対照表を見ていきましょう。
純資産はそこそこありますね。
製造業なので固定資産が多めではありますが、流動資産もしっかりありますし、何より流動負債に対して流動資産がたっぷりありますので、安心感がありますね。
自己資本比率(%)
自己資本比率は25%以上をキープしています。
財務的には心配なさそうですね。
ROE(%)
自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、ここ2年は減少傾向にあります。
それでもそこそこの水準を維持していますし、3年前までは60%以上を推移していましたので、効率よく富を生み出していると言えそうです。
キャッシュフロー(単位:ドル)
最後にキャッシュフローを見ていきましょう。
安定して営業キャッシュフローを生み出していますし、投資にも毎年そこそこお金をかけていますので、なかなかいいキャッシュフローではないでしょうか。
結論
データから10点満点で下記の4項目を評価します。
利益安定性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
財務健全性 (ストレスフリー度) | 7 / 10 点 |
株主還元性 (わくわく度) | 8 / 10 点 |
成長性 (わくわく度) | 6 / 10 点 |
今回は高評価でした。
利益安定性については、営業利益率の減少が若干気になりますが、コロナ禍の中でもかろうじで純利益を出していますし、売上高・EPS・営業キャッシュフローが安定していますので高評価の7点です。
財務健全性については、自己資本比率はそこそこの水準を維持していますし、流動負債に対して流動資産がたっぷりあり、さらにキャッシュフローもいい形なのでこちらも高評価の7点です。
株主還元性については、株価は上昇傾向でも下降傾向でもありませんが、配当は増配が続き、利回りもかなり高く、配当性向から無理して配当を出しているという感じではありませんので、高評価の8点です。
最後に成長性ですが、素材メーカーで目新しいものを作っているわけではないので、急成長は期待できませんが、投資もしっかりしていますし、プラスチック製品が急に全く売れなくなるということは近い将来では考えにくいですので、そこそこ成長するだろうと予想し、ちょっと高評価の6点を付けました。
今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。
評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。
なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。
That’s all !!
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